ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男のレビュー・感想・評価
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やはり試行錯誤
勉強になった映画。
この方のデザインは、面白くてカッコイイだけでなく、上品だと思った。美しい色使いと、上等で凝った織物を使ってるせいか。自然のモチーフが多いせいか。目立つけれど、アクが強すぎず素敵だと思った。
そして、部分的なものでも、いろんなものを引っ張ってきて重ねてみて、面白くピタッとくる組み合わせを探す。ユニークなものも、最後はやはりバランスと印象なのだな。
色と、織りと、モチーフ。そして組み合わせの試行錯誤。
芸術的にユニークなものを作っても、着にくいものは評価されず商売にならない、とあった。やりたくてもそこはストップをかけざるをえない。
ファッションはあくまで実用に根ざしたものなのだから、それは当たり前なのだろう。ただこの方のようにインスピレーションが湧く人にとってはセーブするのは不本意なのだろうな。
ここもやはり、遊びが許されないせわしい世界なのだ、と思った。
知れてよかった
人から良作と聞き視聴。結果その通りの、人となりと創作工程が美しくまとめられているドキュメンタリーだった。
生地の開発に時間をかけ生地を実際に組み合わせて決めていること、嫌いな物からも着想があること、デザインに心を込めるようにしていること、チームワークではあるが自分がチーフとなって引っ張っていくこと、公私を共にするパートナーがいること、プレイベートでも美意識を貫いた生活をしていること(本人曰く、性格だから仕方がない)、など1年半に渡る取材は見応え十分で、取材に応じてくれたノッテン氏らにも制作陣にも感謝したい作品。
この人のデザインは理解できる
今までこういうファッション系のドキュメンタリーっていくつか見てきたけど、正直オシャレ度が高すぎて理解不能なものばっか。
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おまけにそのデザイナー本人と言ったら無駄に気高くて怖い人が多いし、どう考えてもぬりかべの服に複雑な解釈をつけやがる。
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でもドリスのは普通に可愛いデザインが多い。もちろんハデハデなんだけど結構好みだった。特にメンズのマリリンのとか雲の刺繍のシャツとか良い。
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おまけにドリスさん、人柄も結構優しげなおじさんなのよ。スタバ買ってこさせるなんてしなさそう。
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ファッション系のドキュメンタリーの中では結構いいんじゃないですかね。
着こなしできみは自由になれるよと、背中を押してくれる優しいデザイナー
ドリスのオートクチュールは・・
身の丈に合った普段着感覚。だから彼のコンセプトを見ていると、自分の持ち服に新しい息吹きが吹き込まれる感じなんです。
劇中スタッフが語りますが、ドリスはビジネスとしては服を売らなければならないが本来は芸術家なのだと。
つまりあのメゾンは、ブランド「ドリスヴァンノッテン」を買えと言っているのではなく、商売としては矛盾しているが、「君のクローゼットから君の好きなものを選んで着るべし」と提案してくれているのだと気付く内容です。
目からウロコ!
コーデに勇気100倍。
冒険って、こうでなくちゃ♪という見本かな(笑)
ショーで一番気に入ったのは柔らかい素材のアイボリーのトレンチコート。歩くと山吹色の“蹴出し”が見えてグレーのスエードのロングブーツ。
色合わせがきれいだった。
このDVDのオマケは巻頭の関連作案内です、
「メットガラ」、
「ディオールと私」、
「ファッションが教えてくれること」。
サンローラン、ココ・シャネル、オーシャンズ8のメット・ガラ光景と関連作を観てきたのでお次はどれかと食指が動きます。

淡々としている
マスコミ嫌いのドリスがよく撮らせてくれたな〜と興味が湧き観に行きました。
一部プライベートのシーンもありますが、基本的にはショーまでの道のりを淡々と記録したものです。ドリスが好きな人間だと世界観に心酔できると思います。ドリスに興味がなくファッションが好きなだけだと微妙かも?
派手さはありませんが、一人のデザイナーを追うドキュメンタリーとしては脚色もなく良い出来だったと思います。
自然体って素晴らしい。
世界屈指のファッションデザイナー、ドリスのドキュメンタリー。厳しくもガツガツしない仕事ぶり、自宅の庭園と花に囲まれ自炊(笑)する生活、ごくごくフツーな日常のファッションに、彼の自然体な生き方が如実に表れていた。そんな人でも、やはり葛藤と失敗もあった様だ。だが、業界に媚びることなく独自の道を切り拓く彼のスタイルには、非常に共感を持った。ファブリックと花とパートナーとスタッフを愛する男の自然な生き様。こんな人生を送れたらサイコーだろうなあ。
彼の作品や感性が素晴らしいのはよくわかるけど、ドキュメンタリー作品...
彼の作品や感性が素晴らしいのはよくわかるけど、ドキュメンタリー作品としてのアクセントが足りない。
挙げ句の果て、ゴシップのようなプライベートな話題まで持ち出しているあたり、ちょっと残念だった。
生きた美の尊さ
初めて知る色やデザイン。
生み出す人々の息づかいに舞う生地。
目の前で動くものすべてに心満たされる。
シンプルな言葉で、奇をてらわず、苦悩や弱さも晒す姿に親近感を持ったのも束の間、公私ともに一瞬も気を抜かない鋭い眼差しに我に返る。
広告を出さずスポンサーも持たない覚悟の先に現れる、唯一の輝きと品格。
改めて、美は信念と努力なのだと知る。
リンゲンホフでの生活風景は、あと1週間は眺めたかった。
ジョニー・グリーンウッドが添える音も理解を深める。
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