「「食」と「性」が生々しい」劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] II. lost butterfly タミヤ・ユウさんの映画レビュー(感想・評価)
「食」と「性」が生々しい
自分の今年の観賞初めは「FateHF」の続編になりました!
前回公開されたのが第1章で、今回はその続編である第2章になります。
さて、前回でセイバーが負けて、主人公の士郎が聖杯戦争から敗退するところで終わりましたが、士郎自身は解決していない「あること」をするために戦い続けます。
まずは士郎と桜の関係性についてです。
第1章でも恋愛映画を観ているくらいの関係の進み具合だったのですが、それでもまだ少女漫画的展開に過ぎなかったのですが、今回は打って変わって大人な関係にまで発展します。
今までのStaynightではキスシーンがある程度なのであの描写には正直驚きました。
士郎も桜の秘密を知ってこそ、そして第1章の冒頭での桜との日常を細かく紡いで来たからこそ感動出来ました。
特に桜が自分の境遇や感情を思いのたけに叫んだ後、二人が抱き合うシーンは非常に叙情的で美しかったです。
そして、何と言っても前作でも発揮されていた迫力と臨場感のあるバトルシーン!
はっきりと言います。
今回は今までのfateシリーズ史上最も素晴らしいバトルシーンが観られました!
バトルシーン自体が多いわけではないのですが、歴代のアニメ映画の中でもなかなか観られないくらいの迫力満点のアクションで、一大スペクタクルを観てるかのようです!
公式さんの情報によると、通常1秒24~30枚が普通の所をとあるシーンでは5秒間で900枚を費やしてるそうです(笑)
また、fateシリーズでは「正義のヒーローとは?」という哲学的な主題があげられています。
主人公衛宮士郎は正義のヒーローに憧れていて他人を助けるためだったら自分の犠牲を全く厭わないという、一見理想のようで非常に歪な人間性を持っている人物(半ばロボット状態)ですが、この映画シリーズでは理想について問う物語であるのだと感じました。
少しケチをつけるとしたら、イリヤの事をもう少し分かりやすく描いてほしかったです。
自分が見落としてるだけだったら申し訳ないのですが、それでもイリヤの(特に冒頭部分の)行動理由が分かりにくかったです。
また、この映画シリーズは今までのfateシリーズを観ていないと解りにくいという初見お断りな部分もありますし、展開も非常にスピーディです。
なので、冒頭でも言ったように情報量が多いので詰め込み感は否めないですが、それでも2時間という制限の中でテーマや主軸になる部分をしっかりと描ききっていました。
それは意外と難しく、最悪の場合去年の「コード・ブルー」や「ダークタワー」のように話の主軸がわからなくなってしまう可能性もあるなかでのこれ以上無い成功作だと思います。
1年と3ヶ月待っていた甲斐がありました!
次回も非常に楽しみです!