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見えるもの、見えざるもののレビュー・感想・評価
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夢の中で神話を体験する少女
インドネシアの巨匠、ガリン・ヌグロホ監督の長女のカミラ・アンディニ監督によるマジック・リアリズム的映画。寝たきりの双子の弟を看病する少女は、毎夜夢を見る。その夢の中だけでは少女は自由な存在となる。夢の中の世界は、インドネシアのジャワ島に伝わる神話や伝説をモチーフにしたものだそうで、現代の少女の想像力とインドネシアの長い伝統の美学が融合した、他ではあまりお目にかかれない映像美が堪能できる。少女は昔の伝統など知らないはずだが、彼女の中には祖先から受け継いだ文化の遺伝子が眠っているのだ。これは生と死、夢と現とが境目なく存在するという世界観の話なのだと思う。それはとてもアジア的な感性ではないかと思う。
この映画を監督した時、カミラ・アンディ二監督はまだ31歳。巨匠の娘とはいえ、瑞々しさと高い芸術的センスをこの年齢ですでに身につけているのは驚きだ。
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