「スケール感」アバター ウェイ・オブ・ウォーター U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
スケール感
オープニングが壮大で息を飲む程美しい。
世界を創造する技術にあてられる。
物語はあんまり好きじゃない。
なんだか助長なような気もするし、しつこいというか回りくどいというか…。
ただ、絵が…。
映像が…とんでもない。
アレを目の前にしたCG担当者はブラックホールの入口にでも立たされた気分になるのではなかろうか。
終わりが見えない作業量に、一体どれくらい時間と労力を費やしたのだろうと震える。
その甲斐あって、見事な映像美で心を奪われた。不思議なのは、海のシーンになって目が醒めた。それまでは、幾度か舟を漕いでいたのだが、あそこが始まってからは、吸い込まれると言ってもいいのかもしれない。
リアル以上のリアリズム…って変な書き方で、最早フィクションではあるのだけれど、それでも体感するかのようなリアルを感じてた。
よく「母なる海」なんて言われるが、まさにソレをダイレクトに感じてたように思う。
物語の核は前作からの報復らしいのだけど、その執念が尋常じゃなくてひきまくる。だから最後に助けられた時には余計な事をと心底思った。
2次元のキャラと3次元のキャラが、なんの不具合もなく存在しててビビる。銃夢の時にその技術は確立してもいたのだけれど、更に隔たりが無くなって最早、次元を定義するのがバカらしくなるレベルだった。
だからなのか、なんなのか、後半に至っては、明らかに創作されたキャラに違和感を感じなくなってた。
アニメであると理解してるのに、感覚としては実写に近い。口も良く動くし、唇に皺まであって雄弁に表現しまくるので、フェイスキャプチャー+αがあったんだろなぁと、日進月歩なCG技術に蒼然としてた。
海なんて…海にしか見えない。
全部描かれてるはずなのに実写にしか見えない。
もう、ホントに凄い。
まぁ、そんなこんなで、映像に見惚れてた192分だった。…エゲツない。
あんなモノと比べられるであろう各国のCGチームが不憫でならない。