「異文化を上から目線で断罪」アバター ウェイ・オブ・ウォーター seegenさんの映画レビュー(感想・評価)
異文化を上から目線で断罪
映画「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」IMAX3D
アバター、映像体験としては盛りだくさんで楽しいけど、映像から野外でも自然光を感じないショットが散見。なんなら前作の森の方が奥行きを感じた。3D鑑賞なのに!
ラッセン的な透明感の海世界は見ていて底抜けに気持ち良い。分かる、全てはそれに尽きる映画。お値段分の価値は充分あり。
しかし自分にはキャメロンの思想やっぱダメかもと再確認してしまった。グロ趣味とか嗜好は好きなんだけど細かいとこで根本的資質合わない感じ。
たぶん監督は異文化に対して尊敬とか理解してるつもりなんだけど上から目線でジャッジ……。その人間性が、滲んでました。
続編あれば観る…けど、人生の参考にはしたくない映画。
日本人なら捕鯨批判は如実に受信してしまう演出。でもトータルで見ると一本の中で二枚舌論理。矛盾してる。
小さくて知性が無い魚なら漁を親子のコミュニケーションとして楽しみ、なんなら人生最大の"良かったこと"として描く。
捕鯨がある民族を描かず、侵略者が捕鯨するってのも、かなり悪意に満ちてる。日系俳優を配するセンスも醜悪。
パンドラ世界は生命が繋がってるような宗教観を持ち出すのに、結局は知性が低い虫ケラや動物には生命の重さを認めない。そんな世界観。すごーく監督らしさを感じてしまった。
自分は監督キャメロンの人間性が苦手。
作品に罪は無い、だから異世界の動物キャラクターはどれも好きです。
自分は彼らに優劣付けたくないなぁ。
日本人だと簡単に言えば「いただきます」の言葉の中に命をいただく食物連鎖の尊さを知ってるじゃないですか。
エイワ(永遠の環、サークルオブライフの言い換え? もしくは永和か?)とか言う前に、もっと学ぶべき事あったんじゃ無いかなぁ…。
今回の主人公はジェイクと子ども、二世代ストーリー。次世代と"そして父になったジェイク"の物語。
続編前提だからであろうけど、未熟で家族よりエゴで最終決戦に向かうのは父親としてどうなのよ、とムカつくし、続編があれば最終作で父が死んで、そして次世代へ、と先も見通せる。
古典的ではあるけれど、アバターってそういう作品だったっけ、という気持ちにも。
子供たちは、このパンドラの世界しか無いんでしょ。それとも続編でひっくり返しを見せるのか。アバターの冠を活かすことが出来てない。
そもそも今作ではアバターという"かりそめの姿"ギミックもはや関係ないよね。そして、活かされてもいない。ハンデのある人生を知ってるから応援したかった主人公はもう別人。子育てにもあの経験は活かさなそう。
思い起こせば映像体験の素晴らしさより、作品を包む未熟な思想みたいなものにイライラさせられてしまう。
映像はすごい! テーマ性ペラい! そんな映画に思えてしまいましたよ。
ディズニー傘下の配給な分、そういうチェックシステムみたいな部分は以前よりありそうなんですが、不思議とディズニー系、最近は迷走ばかり💦
続編で軟化しすぎると、ポリコレとか騒がれそうですが(苦笑)、監督は数本は作れると発言してるよう。新たなスタートとして続編期待してます。
その通りですね。そうなんですよ。
確かにキャメロン監督は俯瞰した目線ですね。やっぱり、ヨーロッパ人ですね。
でも、キャメロン監督以外にこの話に脚色を加えた有色人種はスタッフの中にいると思ってます。そう信じたい。
反ベトナム戦争や『小さな巨人』よりも誠実に自分達の悪を描いていると、思ってます。まぁ、このあと、白人の良心を登場させ、弁解しまくるかも知れませんが。そうならないことを願ってます。