「やはり稀代のフィルムメイカー!」アバター ウェイ・オブ・ウォーター それもどうかなあ。さんの映画レビュー(感想・評価)
やはり稀代のフィルムメイカー!
IMAXレーザーGT3Dで鑑賞。
いくらキャメロンファンとは言え、前作から13年が経ち、しかも当時は珍しかった「アバター」という言葉や概念自体が珍しくもなくなった現在において、続編を作る意味が?さらにはこのところのキャメロンの仕事ぶりとしては、監督作ではないものの「アリータ」、キャメロン肝煎シリーズの「ターミネーター・ニューフェイト」とがっつり関わったプロジェクトが、キャメロン本人も反省点を述べる程、至極残念な出来だっただけに久しぶりの監督作とは言え、鑑賞前は不安感満載だったが、やはりキャメロンは稀代のフィルムメイカーであることを思い知らされた。
常に誰も観た事がない映像を造るだけでなく、それは単に映像が凄いだけでなく、映画としてよりストーリーを語る上で美しく、現実的で、格好良い映像を紡いでいくというのが、キャメロンの真骨頂だと思うのだが、本作も正にこれぞキャメロン監督作という映像の3時間であった。(メカの細かいギミックとかは流石。捕鯨船ならぬ捕タルカン船の銛再装填システムは痺れました...)
製作中から水中映像が本作の見所と言われていた通り、これまでの水中を舞台とした映画とは比べ物にならない美しさ、リアルさ....(監督自身が海洋冒険家なので、随所にこだわりが凄い。)
特にIMAX3Dで観ると、自分も水中にいるかの様なリアル感を感じることが出来、だからこそパンドラの森の美しさと同じく、あまりの美しさに、この自然を蹂躙する人間達に対抗する主人公達に感情移入が出来るのだと思う。
1作目で舞台設定等が紹介されている事から、開幕直ぐからエンジン全開の迫力ある戦闘シーンが観られるのは2作目の強みで、映像の迫力、美しさだけではなく、ストーリー的にも「家族」という普遍的なテーマに加え、ナビィ族と暮らす人間の孤児(しかも宿敵の遺児)+養子(グレイス博士の遺児、しかも父親不明)を絡ますという今後の展開が気になる要素を組み込んでおり、その辺りも革新的な映像だけでなく、しっかりとストーリーテリングするぞというオリジナル脚本で勝負するフィルムメイカー・キャメロンの本気を垣間見る事が出来る。
ただキャメロン自身が押し上げたデジタル映像技術は、どんどん一般化され、この種の美麗なデジタル映画は珍しくなく、むしろ飽きられつつある現状では残念ながら前作ほど興行的成果は難しいと思われる。
アバターは5作まではストーリー、公開スケジュールも決定しており、同時撮影した3作目も撮影自体は終了しているものの、4作目以降は2作目、3作目の興行成果次第らしいので、続きの展開が気になる方は劇場に足を運んで応援しましょう!