劇場公開日 2022年12月16日

「アウトキャスト(のけ者)たちが活躍する"ウェイ・オブ・ウォーター"には始まりも終わりもない、それはあなたの外にも中にもある…ツラくても立ち止まってその場で戦うこと」アバター ウェイ・オブ・ウォーター とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アウトキャスト(のけ者)たちが活躍する"ウェイ・オブ・ウォーター"には始まりも終わりもない、それはあなたの外にも中にもある…ツラくても立ち止まってその場で戦うこと

2022年12月16日
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本作の軸となるのはキリとロアク、二人の子供。あなたが見える。
海は与え、海は奪う。そして、命は借り物。自然とともに生きること、共生の道。火星移住計画など、今まで好き勝手に喰い荒らすだけ荒らしてきた地球を捨てて他の惑星に移り住む道も考え始めている我々人類に、キャメロン先生から指し示されるのはその場で立ち向かう道。だって家族がいるこの場所こそが家、砦だから。前作に続き物語の内容それ自体はよく言えば普遍的というか、すごく普通なのだけど、やはりドラマもアクションも組み立て方・見せ方が上手いから、3時間超えという長すぎる本編尺もどうにか面白く見ていられる。そんなキャメロンと共に映画史を塗り替えてきたシガニー・ウィーバーとケイト・ウィンスレット、二人の盟友。"モラルを引き上げる"(←サウスパーク)『タイタニック』セルフオマージュまで見られる。終盤のアクションで報われる。
背後を守れ。戦争孤児である人間の少年スパイダーは入りこそジャングル・ブックかターザン状態みたいだけど、人間(白人)がこう接せられるはずだと共感性を高めて示しているみたいだった。一方で、敵勢力は『ゲット・アウト』等でも描かれているような親しみを見せながら結果としてより状況を厳しくしている知ったかぶりな存在や、あるいは昔ながらのネイティブ・アメリカンといった原住民の生活を観光資源のように商品としてパッケージして消費するようでもある。あと、後半突然のグロには少し驚きながらも楽しめた。それより人間のエゴを端的に表しているような漁シーンは到底楽しめたものじゃない…。"奪われるのは目か、心か"というキャッチコピーと掛けるなら、「鳥肌が立つのは作品の力か、劇場の空調(のせい)か」。後は俺が。

圧巻の映像美!
ただ、スーパー滑らかな動きは、動きの速い引きの画とかになると突然文字通り速く見えるというか、なんだか気持ち悪さもあったかも。そんな感じでカット毎に見え方の"差"があるように思えた。それとフル実写のカットとかが、そうしたシーンに挟まれて入ってくると、そこだけドキュメンタリー感強いという意味でのリアルさがこれまた際立っていて(ex. 質感)、そことの差異を埋めるにはまだまだキャメロン大先生はじめ革新的映像技術の可能性を広げる道はあるなとも前向きに思う。

Sallies stick together. サリー家は団結

P.S. 上映前の予告であった『ミッションインポッシブル/デッド・レコニング』のスタント映像ヤバすぎ!トム・クルーズやってるな

とぽとぽ