「章の幕じめ。」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ レトログレイド 373さんの映画レビュー(感想・評価)
章の幕じめ。
2004年、
ダニエル・クレイグがボンドに選ばれた時は、
本当に驚いた。
チンピラが、
サイレンサー付きのPPKを持っている様な写真だったので、ガッカリした事を覚えている。
が、
『カジノ・ロワイヤル』で、
新しいボンドがみせる、弱さの部分や、
人間的な部分がとても面白く、
凄く期待をしたが、
『慰めの報酬』を観た時は、
理解できず、自分の中の映画の情熱が冷めたのかと思う位悩んだ、
『カジノ・ロワイヤル』から直接に続く事に、
怒りすら覚えた。
『スカイフォール』『スペクター』は、
若干その続きの演出が薄れたのもあり、
とても楽しんだし、どちらがクレイグ版ボンドの最終回でも良いと思ってた。
が、
やはりクレイグ版は、
クレイグ版ならではの、幕引きでビックリした。
まさか、5作品で、
一本にまとめ幕を閉めるとは思わなかった。
レイゼンビー版ボンド以上のタブー的で、
多分、
クレイグ版ボンドでしか成立しないような幕引きだった。
子供とボンド、
兄弟、復讐、どれも初めての展開で良かった。
残念な部分が一つ、
Mが悩んてた廊下に、
歴代の『M』の肖像画が有ると、
なんか、
ショーン・コネリー、
ジョージ・レイゼンビー、
ロジャー・ムーア、
ティモシー・ダルトン、
ピアース・ブロスナンのボンドも、
実は死んでいて、
世襲的にジェームズ・ボンドになってる様な感じがして、凄く嫌な気分になった。
相変わらず、
敵のボスが何を考えて、
あの行動を取ってるのか不明。
賛否あるラストだと思うが、
クレイグ版ボンドを、
リアルタイムで観てきたファンとしては、
納得の幕引きだった。