「長すぎて…能・タイム・トゥ・ダイ」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ TK_Filmさんの映画レビュー(感想・評価)
長すぎて…能・タイム・トゥ・ダイ
007のファンでもなければダニエル・クレイグのファンでもない。だからボンドがどれだけ誰かを愛したかとか、人類のために自ら犠牲となったとか、最後の最後だとか、結構どうでもいい。だからちょっと長すぎる映画だと思う。でもテンポもいいしかったるい感じではない。詰め込みすぎなだけかもしれない。
ちょっと気になったのは、イギリス以外の人やモノへの態度がふざけてるなと思った。007は古くから続く映画だから仕方がないのかもしれないが、悪役が外国人ばかりというのも変だし、アメリカ人の同胞の死もボンドを駆り立てるためだけのように見えて全然おもしろくない。それに日本の能面や和服や畳を悪役と結び付けて表層的に描くのもやめてくれ…あと、悪役の顔に傷があるのも気になった。正義の味方が同じように顔にキズや珍しい特徴があるなら多様性と言えるけど、悪役だけ顔に傷というのは短絡的な設定に思える。スペクターに家族で襲われたときに受けた傷なら、その恐怖体験を映像で描くくらいしてくれないと、悪役の怖さの根源も伝わらないのではと思った。そもそもなぜ能面…キャスティングやキャラクターの多様性が進んでる一方で、歴史の古い映画としての限界にぶつかってるように思える、なんて思ったけど、調べたら昔の007ではボンドが日本に来て日本人に紛れようとした話があるらしく、今回の映画は全然マシかもしれない(笑