「ラミマレックの魅力を全くいかせていない」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ シネマラブさんの映画レビュー(感想・評価)
ラミマレックの魅力を全くいかせていない
待ちに待った公開ですごく楽しみにしてました。日比谷ミッドタウンのトーホーシネマズのプロモーションへの力の入れようもすごく、期待値は上がる一方でした。
一切レビューを見ず、前情報をほとんど入れず見ましたが、非常に残念な出来栄えでした。007の世界観や哲学を無視して、ポリティカルコレクトネスを意識しすぎ、色々盛り込みすぎて何が言いたいかよくわからない。アクションシーンも無駄に多すぎて、なんだか見るのが苦痛でした。
久々に早く終わらないかと思ってしまう自分が嫌でした。
何より残念だったのは、ラミマレックの魅力を全くいかせていないこと。
彼の演技力を批判する方がいましたが、ひとえに脚本があまりにお粗末だったのではないでしょうか。
007史上まれにみるヴィランという割に、凄みを感じない。彼の目的などが見えない。
なんだか支離滅裂な感じ。
ボンドガールもレアセドゥがアナデマルマスに見劣りする感じでボンドがあそこまで惚れ込むまでの魅力を感じませんでした。
レイフファイアンズなど脇役も素晴らしい俳優がいるのにいかせていない。
ああいうシリーズは悪役やヒロインをしっかり描いてこそ主役が引き立ちますが、なんだか中途半端でした。
そしてラスト、たしかに衝撃的でしたが、なんだか何も残らなかった。それをやっちゃダメでしょうというルール違反を犯しているようにしか見えません。
そして、タイトルで思い切りネタバレしてる方が多いのも驚きました。
最近、クーリエ、シャンチー、レミニセンスと素晴らしかったから、肩透かしを喰らいました。
残念で、無念です。
アクションシーンばかり記憶に残り、上記三作にあったような根底に流れる哲学や美意識が感じられなかった。
なんだか次の007を劇場で見る気が失せました。
ボヘミアン以来不遇なラミには是非次いい作品に出てほしいです。