劇場公開日 2018年2月10日

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「後のアクション映画に影響を与えるであろう、韓流バイオレンスの金字塔」悪女 AKUJO よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0後のアクション映画に影響を与えるであろう、韓流バイオレンスの金字塔

2017年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

目の前で何者かに父親を惨殺された少女スクヒ。犯罪組織を率いるジュンサンに拾われ殺し屋として訓練された彼女はいつしかジュンサンと惹かれあい結婚するがハネムーンの最中にジュンサンを殺されてしまう。悲しみに打ちひしがれるスクヒはその殺人スキルを買われて国家組織に拘束され暗殺者として訓練を受け、別の名前をもらって表向きは舞台女優として第2の人生を歩み始めアパートの隣人ヒュンスと心を通わせるようになるが・・・。

昭和の東映アクション、または小池一夫原作の劇画群辺りの影響下にあると思しき忖度のかけらもない凄惨極まりない設定をベースに、緩急のタメを十二分に効かせた上で普通であれば表現することを躊躇うであろう鮮血に塗れた狂気をスクリーンに叩きつけてくる大胆さに観客10名のうち7名が中座しました。

『マッドマックス』、『男たちの挽歌』、『ニキータ』、『シュリ』、『トム・ヤム・クン!』、『ザ・レイド』、『ハードコア』、『ジョン・ウィック』といった狂暴な作品群を愛する者だけが涙する空前絶後の傑作。主演のキム・オクビンの後ろ姿にアクション映画の限りない未来を見ました。冒頭約7分間のオープニングシークエンスでまだ物語が何も始まっていないのに号泣してしまう途方もない大傑作です。

よね