「また1日が始まる…」シリアにて MARさんの映画レビュー(感想・評価)
また1日が始まる…
シリア内線のなかで常に死の危険ととなり合わせにいる一般市民を描いた作品。
世界一危険な国と言っても過言ではないシリア。そこで生きるある女性が、家族や同じアパートに住む住人と身を寄せ合い生きている1日の様子をみせていく。
皆に対するあたりが少々強く感じてしまうのも、皆をまとめ生きる為には必要な態度と言える。
多少の不満を抱きつつも、確かに皆彼女を頼りにしている。
だが、この厳しすぎる状況の中生き残る為には綺麗ごとばかり言っていられず。。
危険が迫ったとき、最善と思う選択肢が、全員を救えるものとは限らず…。
あんな状況になっても、黙って皆を守ろうとした女性の強さよ…
あの悪党どもは何者!?アサド政権や反対勢力が戦っているのはわかるが、あやつらはただの火事場泥棒的な暴漢どもか?
スナイパーも何故市民を狙うのか。武装しているわけでもないし、内戦において彼女らはなんの脅威でもないだろう。。
とにかく、今年も多くの作品を見てきたが、これほど悲しくて涙がでそうになる作品はいくつあったか。
このようなことが今も現実に起こっていることが辛いですね。
何が辛いって、壮絶な1日の様子をみせていく映画だが、彼女らにとってはこの命がけの出来事が、たった一度の大冒険などではなく、日常の中の1日に過ぎないこと。
あれだけのことがありながら、明け方のおじいさんの憂いを帯びた横顔をみて、また同じような1日が始まるのだと考えると、何ともやりきれない…。
こういう映画をみて、何か勉強した気になっているだけで、結局何もできないのは辛い。
シリアが平和になってほしいのは勿論、日本もずっと平和が続いていってほしい…ってのは甘い考えなのだろうか。。
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