「静かで穏やかだからこその切なさ」詩人の恋 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
静かで穏やかだからこその切なさ
クリックして本文を読む
韓国の済州島で暮らす詩人がドーナツショップで働く少年に恋するという話。
序盤で詩人の妻とのやりとりが描かれるがこれがいい。尻に敷かれているようでいて、友達のようにふざけ合えることができる。
でも少年に恋してしまう。もちろんそんな気持ちはひた隠しにする。と思っていたら親友には正直に告白したり、そのことが妻に筒抜けだったり。ちょっと変わった雰囲気を醸し出していた。
舞台が島というのも1つのポイントかもしれない。セクシャルマイノリティへの無理解、ジェンダーの役割の押しつけ、そして閉塞感。
終始穏やかで静かな時が流れる中、後半の詩人が感情を爆発させるシーンが印象的だ。あれがあるから最後に流す涙の切なさが際立つ。個人的にはこういう穏やかな雰囲気の映画は得意ではないが、切なさは十分伝わってきた。こういうのが好きな人が観たらたまらないんだろうなと思った。
コメントする