「人間やめたい…」怪怪怪怪物! なつさんの映画レビュー(感想・評価)
人間やめたい…
こんなにすごい作品とは!!!!
こんなに胸糞な作品とは!!!
こんなに人間の醜さを描く作品とは!!!
こんなに純粋な悪を持つ子供達とは!!!
タイトルがすごいんで、少し遠巻きにしてたのだけど観て大正解。
いろいろな意味で胸に炎が灯された。
銃撃されたといっても過言ではない。
スクールカーストのひどさと独居老人の扱い…
これは事実なのか?作品として盛ってる部分も大きいと信じたいが、高校生達の無邪気でモラルの欠けた行動や発言にただただ泣きたくなる。
胸糞すぎて人間でごめんなさいと謝りたくなる。
カースト最下層のシューウェイ。
「僕は君とは違う」
声をかけてくれた同じいじめられっ子の女生徒にそう言い放つプライドだけは一人前。
そんな彼もまた、自分より下の存在を知り一緒になって愚行に走る。
老人で遊び、捕まえた小さな妖怪をいたぶる。
彼らに人道的な心は一切ない。
いじめっ子集団のボスの彼女のバスのシーンは残虐ながらもとても美しいシーンだった。
クラッシュされるスイカジュースとバスの中。
1番奥に座る彼女のストラップは妖怪の歯で作ったアクセサリー。対峙する2人、膨れる風船ガム、BGMは「MY WAY」
妖怪についてもあまり詳しく語られない。
クズな子供達、仏教に熱心なくせにクズな先生、とにかく人間のクズ共にフォーカスを当ている。
主人公の自らが受けた境遇や未だに残る恐怖。ほんの少しの同情心から起こすちっぽけな行為。
そんな事で帳消しになるほど世の中は甘くない。
ラストが素晴らしい。
「君は僕と違う」
いじめられっ子の女生徒につぶやく
きっと彼は最下層のさらに下、怪物のさらに下に堕ちてしまった。
弾き飛ばされるスープ。
赤い画面の中、騒がしく給食をとる生徒たち
にこやかに歩きながら炎を背に、シュッお前の番!
謎テンションぶち上げで視聴後、妖怪人間ベムベラベロには考え直せと説得したいと思った。