「すごい!孫文パワーだ!」怪怪怪怪物! 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
すごい!孫文パワーだ!
クラス費強奪の容疑をかけられたいじめられっ子の主人公がいじめっ子たちと共に、老人たちの世話をする奉仕活動をするよう先生に命じられる。
そこで老人という弱者へいじめの矛先が移り自分へのいじめが減少、さらにはそこに住み着く姉妹の人喰いモンスターに遭遇し、妹モンスターを誘拐したことで、いじめの対象がこの怪物に移っていく。
非常に良くできた作品。
心理描写はもちろん、細かい演出もしっかりしていて、暗く汚くも芸術点が高い台湾映画でした。
ただ、皆さんが言われているような本来感じるべきように感じられなかったのが悔しい。
まず、いじめっ子たちを完全悪と捉えられなかった点。
本来1番憎むべきいじめっ子のボス。私の中では彼が1番輝いて見えてしまった。
彼らのやっていることは目を背けたくなるような残虐な行為なのだが、それらをやっている時の目の輝きやそのような行為自体の醜さなど、良くも悪くも最も人間らしい。
彼の過去や恋愛要素交えてしまうことで、簡単には憎めなくなってしまった。
次に怪物へ同情できない点。
所詮怪物は怪物だった。
もっと言ってしまうと、元々人間だった彼女たちは怪物の皮を被った怪物。
傍観者は共犯者精神なのかもしれないが、手当たり次第罪なき人々を殺傷していく姿を見せられたら、あまり共感はできない。
あと警察仕事しろ。いるのか警察?
そして最も嫌な奴が主人公だった点。
いじめを受けた人の苦しみは私には分からない。
ただ、彼のやることは間違っているようにしか思えない。
ラストもあれで良いのかな…もっとやりようがあったように感じたが、この最後の点に関しては映画にとっては良いポイントだったかもしれない。
それから、『ミスミソウ』同様No.1ヤベー奴は担任の先生。火の鳥お疲れ様でした。
とりあえず胸糞映画であることは間違い無さそう。
話には関係ないが、ラストシーンでのクラス一のいじめられっ子の女子生徒の机の落書きが日本語だったのは何故だろう?
恐らく「髪臭い女」「風呂入れ!」「マジキモイ!」と書いてある。
本日の名言:安心しろ。お前を殴れるのは俺だけだ。