「凄凄凄凄惨!」怪怪怪怪物! KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
凄凄凄凄惨!
面面面面白!
常に予想を裏切られ、ケチョンケチョンに打ちのめされ、顔面鷲掴みにされゴリゴリに捻り潰される作品。
本当にもう、お前らなんてクソくらえってことよ…人を傷付け知らぬふりをしてのうのうと生きててごめんなさい、と独りごちてしまう。
怪物も高校生も先生も全員死ぬほど怖い。
人間を殺して食べるのが怪物なのか、他者をいたぶって大騒ぎする人間が怪物なのか。
誰もが持つ、人間の弱さ・醜さ・愚かさ・傲慢さを徹底的に投げつけられ、自分の心の底まで掻き乱されるような感覚になった。
ひたすらに胸糞悪い展開が続き、最初から最後まで辛すぎてだんだん吐きそうになる。
ポップな青春映画のタッチでえげつないことを次々やらかしてくる、そのギャップが面白い。
老人遊びとか口ドリルとかもう勘弁してくれよと思うんだけど、そういうシーンになるほど楽しく明るく描くのが印象的。
こちらも楽しみながら観られるけど、その分気味悪さや恐ろしさも増大。
単純にストーリーの面白さとポップな演出にどうしても高揚が止まらず、心臓バクバクしながら釘付けになっていた。
主人公のシューウェイはいじめられっ子で、とにかく最初は同情を誘うキャラクター。
話が進むうちに彼の保身方法にモヤッとするけど、もし自分だったら絶対に同じような行動をすると思う。
というかあれが人間のリアルで、ほとんどの人は同じなんじゃないだろうか。胸を張って「自分は違う」と言えるだろうか。
むしろ「口先だけの勇気」すら無いかもしれない。
そんなシューウェイの最後の行動…凄過ぎる。素晴らしいラストだった。
「俺はお前とは違うんだ!」からの「お前は俺たちとは違う」の対になった言葉がまた心を強く打つ。
いじめっ子グループのボスの、純粋に心の底から人を痛めつけるのが好きな様子はかなり恐怖だった。
そのバックグラウンドにも少し触れられたりしても同情の余地無し、理解不能。
仏教大好き先生の不気味さも同様に。それにしても体育館のシーンは圧巻だったな…。
惨いイジメと人間模様の合間に、怪物による殺戮が入ってアクセントになっているのも凄く良かった。
まず怪物のビジュアルが絶妙に怖いし、その咆哮もゾクッとする。
気持ちいいくらいグチャグチャ殺していくのでかなり興奮した。バスのシーンのカタルシスが半端じゃない。
観終わった後はドッと身体の力が抜けて足元覚束ない状態になった。
とにかく色々な感情を振り回されるジェットコースターのような映画だった。最高。大好き。IMAXで観たい。
スイカジュースごくごく飲みたい。
2018.12.29 一番怖いの人間ナイトにて再鑑賞 追記
シューウェイがこちらに向かってシュッ👉とやった時とてもドキッとした。
生きててごめんなさい…。
MVのように音楽を大きく使った演出が好き。
我愛羅vsフリーザ、ほんと馬鹿で酷い。
大好きな作品。