「この映画のジャンルは.......?」ニューヨーク 最高の訳あり物件 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画のジャンルは.......?
この映画監督 Margarethe von Trottaは、世界的男女同権主義の映画製作者として知られているのだが.....。
そんな前ぶりをしようとは考えていなかったのだが、はっきり言って何故、ドイツ人監督が、ニューヨークのファッション業界を描いて、それにドイツ出身の女優さんやノルウェー出身の女優さんを使うのかわからないでいると、設定地がニューヨークだと、しばらくしてから気が付いた。
正直に言って、たぶん辛らつだと思うけれど、この監督、以前にコメディを撮ったことがあるのか? たぶんないと思うが、原題の「Forget About Nick」からニックを声だけの出演にして、本人は最後まで出てこない、女性の心を逆なでするような謎めいた演出をするのかと思えば、途中でいきなりの登場。
比べること自体、酷なことだと思うが、オスカー女優が出演しているファッション関係のコメディ「プラダを着た悪魔(2003)」、16年前の映画なのにその洗練されたファッションセンスは見ているものを引き付けていたし、ディザイナーへのあこがれの印象の残る映画に仕上がっていたのだが、はっきり言って、この映画は、衣装だけでなく会話自体も泥臭い。しかもファッションショーの部分は大ラスに申し訳ない程度に出てくるし、彼女、映画の中で白の服は、死体が着る服のようにコケにしていたのに後半になって、自分自身が全身真っ白の服を着るという矛盾も出てくる。これは確信犯の演出か?
ただ言えるのは、ファッション関係のアシスタンドは、どこでも上司に気を使わなければならない立場なのか?
そんなこととは別に、青みがかった映像のせいかニューヨークがあたかもヨーロッパで撮影されたような良い雰囲気作りもなされていたのを付け加えたい。