グレインのレビュー・感想・評価
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とにかく絵が素晴らしい
2017 TIFF competition
東京グランプリ
内容は過去のディストピア的SFの集合体のように感じた。特に個人的にはタルコフスキーの幻影などを見た。さらには、黒澤明や溝口健二の要素も感じたのだけれど…まぁあくまで個人的な印象ではあるけれど。
夢と現実が入り組んだような展開で、混乱しかねない部分もたくさんあったけれど、内容は分かりやすい方だと思うし、何よりも隅々までこだわり抜いたような映像が素晴らしかった。壮大で美しく映し出される大自然の中、ダイナミックに物事が展開していく長回しなどには鳥肌が立ってしまった。
5年も費やしたその理由、適したロケーションを求め、最高の映像を撮ろうとした結果だと想像がつく。
上映前、監督が白黒で撮った理由を、二面性を表現したいがため、と語っていたが、それも非常によく理解できる力強い映像に最後まで釘付けであった。
ぜひもう一度大画面で見たい作品だ。
難解なメッセージ
東京国際映画祭グランプリ上映で鑑賞。
うーん、僕には難しかった…というか理解できなかった。
監督の言う現代に広がる社会問題に対する危機感はとても共感するが、それを表現するための映画として少し難解すぎて飲み込めなかった。
エンタメに偏る映画業界への危惧も分からなくはないが、人々に興味を持ってもらうための最低限のエンタメは必要ではないだろうか。
モノクロの画に力を入れすぎてミクロの描写にこだわりすぎて、マクロのストーリー表現が物足りなかった印象。
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