「僕にとってこの20年で最高の映画」グレイン Nikoさんの映画レビュー(感想・評価)
僕にとってこの20年で最高の映画
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この映画は、日本人には難しいのだとおもいますが、イスラム教の聖典コーラン(クルアーン)18章『洞窟の章』を読めばすこし助けになると思います。モーセが小姓とともに旅する、謎の男に会い一緒に旅する...途中のいろんな出来事はコーランのエピソードをうまく使って居ます。13-14世紀の詩人ユヌス・エムレの「Breath or Wheart?」の真意が僕には掴みきれていないのですが、モーセは赤ちゃんの頃パピルスの船に乗せてナイル川に流されたはずですし、さまざまな象徴的な事柄の積み重ねは近東に暮らす人たちにはわりと馴染み深いものなのかもしれません。カプランオール監督の知識量とそれを編み上げるセンスは、僕らの育った世界の外側からの精緻な観察と公平でナチュラルな理解にもとづくものなのだろうと察します。初見時タルコフスキーの映像言語を使いすぎじゃないかとやや不満もありましたが、トルコ版DVDで繰り返し見ているうちに、そんなことはどっかに吹っ飛んじゃいました。
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