スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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観て良かった!
口コミでは重い、とありましたが、そんなにはなかったです。
人種差別、人権問題、社会問題などを小さな町で起こったひとつの事件を中心にぎゅーと凝縮したお話。
はじめはサムロックウェル演じる警察官にイライラしてましたが、彼から感じる署長や、母親への愛は本物なんだなと思いました(実際母親には暴力はふるわない。)署長の手紙、1杯のオレンジジュースで彼は救われた…。 人変われんだという希望が生まれた。
娘を殺された母は、自責の念を警察に向けることで救いを求めてたと思う。でも彼女もまた、署長の手紙と、サムロックウェル演じる警察官から希望をもらう。
ラストは賛否両論あるみたいですが、私はこれで良かったと思います。容疑者を殺すってなれば、よくある、ただの復讐映画になっていたと思う。希望が見えはじめた二人の人生、自分達の行動でいくらでも道はあるっていう含みを持たせたラストだと思いました。
中盤の大仕掛以降は誰にも想像できない!
凄まじい脚本!皮肉交じりの言葉を紡ぎながら予想を裏切り続ける展開のツイストが見事!特に中盤のある意味『L.A.大捜査線/狼たちの街』的な大仕掛以降はまるで予想できない!怒りの連鎖が向かう先は愛だった。愛を以って赦し連鎖を断ち切る。怒りの裏には愛があったと気付く
マーティン・マクドナー監督は前作の『セブン・サイコパス』ではよくいるタランティーノフォロワーの一人にしか思えなかったけど本作ではコーエン兄弟の域に達しているとすら感じた。そういえば前作でもクリストファー・ウォーケンが怒りの連鎖を断ち切るベトナム人サイコパスの話をしていた!
実にキリスト教的な物語ではあるけど普遍的に響くものがあると思う。今年公開の作品でいうと『パディントン2』『デトロイト』も「大切なのは愛だ」と説く物語だったけどこれは偶然じゃないよな。忌野清志郎が今も生きていたら「愛し合ってるかい?」と歌い続けていることだろう。知らんけど
俳優陣も素晴らしい。フランシス・マクドーマンド演じる過激派クソババア(ババアはいらない)もサム・ロックウェル演じる「その男、凶暴につき」も複雑な心の変化を表現していたと思う。ウディ・ハレルソンも『ムーンライト』におけるマハーシャラ・アリのように「ある展開」の後も存在感を示し続けた
ほとんどの登場人物が初めに見せる顔とは違う顔を見せるあたり彼らが本当に生きていると感じられた。個人的にはピーター・ディンクレイジ演じる小男が突如見せる苛立ちが印象的だった。現実の社会には書き割り然としたキャラクターなんておらんもんな
『スリー・ビルボード』は全体的にコーエン兄弟のようなトーンでありながら中盤の『サイコ』『L.A.大捜査線/狼たちの街』を彷彿とさせる大仕掛以降は『許されざる者』よろしく登場人物が違う顔を見せはじめて最終的には予想もつかないところに着地する。それこそ『ノーカントリー』とは真逆の
そういえば『スリー・ビルボード』には多分北野武の『アウトレイジ』オマージュと思われる歯医者での暴力シーンがあって嬉しかった。マーティン・マクドナー監督は『セブン・サイコパス』でも『その男、凶暴につき』を劇中で見せたりほんまに北野武が好きなんやな
すごく重いのに観た後の幸福感たら
突如現れた3つの看板が、小さな田舎町を大きく揺るがすことに。
人間それぞれ守るものがあり、それに必死になればなるほど、外の者を傷つける。
子を守る野生動物と、本能では同じだけども人間には理性と感情がある。
そのバランスの取り方を身をもって教えてくれたのは、ウィロビー署長、そしてその自死というショッキングな事件。
街中の人々が一丸となって守ろうとした署長は最期まで、それに値する人物だった。
(もう少しうまいこと根回ししてくれたら、もっと早く皆が分かり合えたかもしれない…が、そこは彼自身のプライドがあったかも?)
狭い街の中で八方塞がり、閉塞感で息が詰まりそうになるも、さりげない人々の思いやりと、ラストシーンでまさかのコンビ2人が街を出て行くシーン、妙にキラキラして見えて、どんなシチュエーションでも希望は持てると教えてくれる。最終的には不思議にじんわりと幸せな気持ちにさせてくれる、重い重い映画。
キャストもいい。
ナチュラル・ボーン・キラーズのイメージがようやく吹っ飛んだ!
ウッディ・ハレルソンの転換期とも言えるのではないかしら!
なんなのこの満足感は。
なにか特別なアクション、コメディがあるわけでもなく、どちらかと言えば、というかかなり悲しい話しなのに、見終わった後の幸福感に満たされる感じ。こんな自分でも訳の分からない感情になる映画は初めてです。この映画に出会えたことき感謝だし、観た自分を誉めたいくらいです。間違いなく後世に残る一作だと思います。
本当の犯人は誰か
見終わって腑に落ちなかったことが2点。癌の白人所長はなぜ自殺したのか?
それと、レイプの容疑者はなぜ捕まるリスクも辞さずにのこのことミルドレッドの店に現れることができたのか?
個人的な見解は、やはり容疑者は犯人だったんだと思う。ただ、軍関係者だったことから軍の圧力により真実を揉み消されていたのではないか?
そして、自殺した白人所長もその事をもともと分かっていたし、だからこそ自身の良心との葛藤の中で自殺したのだろう。
一方で、レイシストの巣窟だった警察署に正義の象徴として現れたアラントゥーサン似の黒人所長が、容疑者が犯人だと知ったにもかかわらず、暗黙の了解として易々と軍や警察上層部の圧力に屈して隠蔽に加担したのであれば、「誰もが正義であり悪である」といった本作品を貫くテーマに一層の深みを与えるだろう。
ストーリーだけじゃなく、シリアスさと笑いのバランス、開始3分で魅了された映像美と音楽も素晴らしかった。
追記: 自殺を覚悟していた白人所長が「警察嫌いの友人」と書かれたメモと一緒に広告の更新料5000ドルを広告会社へ送ったのはなぜか?もし犯人逮捕を軍の圧力によって妨げられていたのであれば、所長の死後も「娘はレイプされて焼き殺されたのに未だに犯人が捕まらない、どうしてウィロビー署長?」と書かれた看板は、自ずと軍や警察の隠蔽体質に対する皮肉なメッセージになるからではなかったか?
https://wezz-y.com/archives/32213/2
人はチェスの駒のようには動かない
重いテーマだが、ところどころに挟まれるおバカな展開(キャラクター描写)に思わず笑ってしまう。
ピリピリと張り詰めた緊張感が続くが最後にはフッと肩の力が抜けるのでご安心を。
人によっては「ん!?これで終わり?」となってしまうが、あの先を描くことはこの映画の目的ではないのでしょう。
署長があのビルボードがチェスのように人を動かし始めたという。
主人公は神様(チェスをプレイする人間)のように、止まっている人を動かそうとするが、中々思い通りに動かない。それどころか、あの人は実はこういう人で、こう動くのだと自分の勝手な思い込みを知るのである。
何だかんだ人って喧嘩したり、互いに恨んだりするけど、優しくすることも簡単だし、それだけでさっきまで怒ってたことがバカらしくなる。
優しさは優しさを生み、怒りは怒りを生む。ラストは神の鉄槌を下すべくあの悪い奴を裁きに行くと見せかけるが、やはり2人は人間であった。そんなことはもういいんだ。ようやく肩の力が抜ける。穏やかに終わる。
良質な人間ドラマを見た。
ディクソンが向かいのビルの広告マンの兄ちゃんを窓から落として、また警察署に戻るワンショットシーンは臨場感バツグン。こういったさり気ない職人技が光る作品でした。
アカデミー賞受賞が証明している👍な作品
-0.5なのは、作品の締めくくり方が好みじゃ無かったから。
終始次は、次はと気が背いるのを自覚した。基本的には街の住人は皆いい人だから、スムーズに事件が解決しない事が本当に歯痒いし辛い。
息子役の子って、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の子だよね⁉️また、両親や家族に翻弄されている笑。
署員がレイシスト(人種差別主義者)、住民を恣意的に逮捕する、署員が自殺、警察署に放火されても犯人が検挙されない、市民を殴打し2階の窓から放り投げる、
Movix堺で映画「スリー・ビルボード」
(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)を見た。
観客は我々夫婦を含めて5人。
イタリアのベネチア国際映画祭で脚本賞、カナダのトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞するなど各国で高い評価を獲得した作品だが、日本での興行成績はどうだろうか?
娘をレイプの末に殺された母親が、犯人が数ヶ月経っても摘発検挙されないことに抗議するために道路沿いに3枚の看板を出した。
そのことで母親と警察や住民との間でさまざまな摩擦が起こることになる。
知っている役者はウッディ・ハレルソンだけ。
個人的にはウッディ・ハレルソン出演作ではベストムービーかもしれないと思った。
米国の田舎の町の警察は、(今作ではミズーリ州)
署員がレイシスト(人種差別主義者)、
住民を恣意的に逮捕する、
署員が自殺、
警察署に放火されても犯人が検挙されない、
市民を殴打し2階の窓から放り投げる、
目を覆いたくなるような警察組織だが、
終盤はハートウォーミングな展開になる。
新しい署長はいい人かも。
ラストは余韻を残した場面で終幕となる。
上映時間は116分。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
デトロイトと同じくキツイ
田舎であるだけに
署長が、人格者で余命少ない
やってるやんか!
しかしハッキリしてくれ
母は、立ち上がった!
マクドーマンドの腹のすわった顔
かえってしんどい。
サムロックウェルの人生が変わる
そして腹がすわる顔
なかなか好きな作品だ!
正直よくわからない
結末があんなふうだし、正直よくわからない。
白人警官による黒人射殺等、この国にいてはよくわからない部分がある(ダメな作品というつもりはないが)。
アメリカ国内の評価は別にして、アメリカ国外で誉めそやすのは
いかがかと思う。
ベネチアの脚本賞は納得。だが・・・
2017年第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同じく2017年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞。
ベネチアでの脚本賞は納得ですが、トロントの観客賞は・・・、トロントの人は目が肥えているんですね。いや、脚本賞が納得なので、悪くないんですが、終わり方がね。わかったような、わからなかった様な。こう言う結論が宙ぶらりんの、オープンエンディングとでも言うような作品は少なくないんですが、この話の内容で、そう来るとは思いませんでした。オープンエンディングの作品が合うのは、人生模様だったり、人そのものを描いた様な内容だと思うんですが、この作品は?まぁ、“ある意味”人を描いてはいるので、良いのかなぁ?
そんな風に思わせられるほど凄い演技を見せたのは、フランシス・マクドーマンド。いやぁ、これを見ると、フランシス・マクドーマンドは「実はこう言う人なんだ」と誤解しそうです。この作品で、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞するだけの事はありますね。
それと、なんとも言えなかったのが、警察署長を演じたウッディ・ハレルソン。彼、良いですよ。抑えた演技、泣ける。そして、その最後も泣けるんですけどね。
それにしても、アメリカの田舎町って、やっぱりいまだにこんな感じなんですかね?そういう観点でも、なんだか、複雑な気持ちになる作品でした。
会話のチェスが秀逸!
警察署長とミルドレッドの会話(遺書も含めて)が秀逸。
こっちがしてやったり!と思ったらその後ひっくり返されたり。
看板の使用代金を署長が払ってたあたりは最高のくだり。
ピーター・ディンクレイジ演じるジェームズがハシゴを押さえてるシーンも最高!
物語としてはうまくまとまってるし、深い。
けど、署長の遺言と、自分が投げ落とした男から差し出されたオレンジジュースでそこまで人間善人に変われるものなのか。。。と思ってしまったので、☆-1で。って私が擦れてるのかな。。。
まあまあ
評判が良かったので、期待しすぎてしまったかも。
たしかに意外性のあるストーリーで役者も素晴らしく、最後までハラハラしたけど、冷静に振り返ると、うーん…
警官が市民を暴行してもそれほど罪に問われないし、警察署の放火があっても犯人は捕まらない。そんな街の警察じゃ、レイプ犯を捕まえられるわけないよなって思ってこの映画を見てはダメなんですよね 笑
ただ、場面場面でのストーリーはホントに予想外のことばかり起きるので、最後まで楽しませてもらいました。
まぁ犯人は捕まらないのかな、と思っていたら、これも最後に意外な展開が…
脚本家が観客の期待を裏切ることばかり考えて書いた感じがよく伝わるけど、エンディングの解釈は評価が別れるのでしょうね。
個人的にはスッキリしない感じでしたが、まぁ楽しめました。
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