劇場公開日 2018年2月1日

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「それぞれの信念」スリー・ビルボード オイラさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0それぞれの信念

2018年2月10日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

もっと、なんて言うのかな…『イカツイ暴力的な母親』の『執念に憑かれた暴走』が描かれているのかと想像していたよ。

それに連鎖して町の住人とその暮らしが狂い始める…って感じの、バイオレンス色の強いサスペンスだと思ってたから、

漂う陰の空気に『次はどんな事件が起こるんだろう?』という緊張感をもって観てたんだ。

けど…起こった最大のコトは『事件』じゃなかったね。

登場人物それぞれの関わり方や心情に、丁寧に向き合った人間ドラマだったよ。

多くを怒りに支配されていながらも、ミルドレッドから自然と滲む『ただの母親』の表情。

末期ガンと死に向き合った時でさえも、周囲を思いやることを優先するウィロビー署長。

彼の死によって、自分の中の正義を取り戻すべく突き動く警官ディクソン。

それぞれの『信念』が作用しあって起こす行動・起こる出来事に、納得させられるんだ。

意外性に驚く部分もあるんだけど、それは決して違和感ではなく『心地好い裏切り』。

それを経験した上で、視点を変えてもう一度観賞したら、きっと感じるモノや深さが違ってくるんだろうな…と思う。

両手を上げて大絶賛!というワケではないけど、
記憶とココロに投げ込まれた『温かい何か』を確かに感じるよ。

また観ようっと!

追)

振り返ってオイラ、やっぱりアイツは真犯人だと思うんだ。

新任署長がなんかゴタクってたけど、アレ隠蔽なんじゃねぇ?との気持ちが拭えない…そうあって欲しいのかもしれない。

もしそうだとしたら、アイダホに向かう2人にかけたい言葉も変わってくる。

オイラ