劇場公開日 2018年2月1日

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「SNS時代の問題点を浮き彫りに」スリー・ビルボード とえさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0SNS時代の問題点を浮き彫りに

2018年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

なるほど、噂通りのすごい映画だったけど、私にはちょっと恐ろしい映画だった

アメリカ ミズーリ州の小さな田舎町エビング
娘がレイプされ、殺されてしまい、未だ犯人が逮捕されないミルドレッド

そんな彼女は警察の不手際を告発する3枚の看板を立てる

その看板をきっかけに静かだった田舎町の町民を巻き込み、さまざまな事件を引き起こしていく

心の声を活字にすると、読み手によって、それは暴力にもなり得ると思った

ミルドレッドがしたことは、まさに現在、私たちがツイッターやインスタやフェイスブックを使って、様々なできごとに対し批判や抗議をしているのと何も変わらない

そこにあるのは、正義感かもしれないし、悔しさや憎しみといった負の感情かもしれない

私たちはツイートすることで世間に問題を提起し、なんだか良いことをしたかのような気分になる

賛同してくれる者もいれば、反対する者もいて、両者が議論をしているうちは良いけれど
それはいつしか「魔女狩り」へと発展していってしまう

「文字」というものは読み手によって様々な感情を引き起こし、問題をエスカレートさせるだけなのだ

それでは、レイプ事件だけでなく、人種差別や偏見といった問題は何も解決しないのだ

これは、まさに今の時代だからこその作品だと思った

アメリカの南部の田舎町が、何でできているのかを観た気がしたし
ラストの晴れやかな表情が私の気持ちを暗澹とさせる映画だった

とえ