「隅々まで面白い」スリー・ビルボード ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
隅々まで面白い
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殺人の被害者少女の母親が、いつまでも犯人を捕まえられない警察の捜査に業を煮やし、警察を批判する3枚のでかい看板広告を出す。警察の捜査に業を煮やす、というのはアメリカ映画で見かける素材で「プリズナーズ」「白い沈黙」(カナダ映画)なんかを連想したけど、これは自分でも捜査して犯人を捕まえるという方向には行かない。ただ、どれも都会が舞台ではないところがミソかも。
アメリカの社会問題を描いているけど、どの登場人物にもユーモラスな面があって面白い。主演のマクダーモッドは被害者の母親という悲劇的な役柄だがかなり荒っぽい性格で、息子を含む周囲もドン引き。敵対する警官は尊敬する署長を非難され怒りに燃える一本気なところもあるが、差別的でかなりデタラメな仕事ぶり。この母親も、広告会社の若手社員も笑える。署長だけは割と好人物。その他にも面白い登場人物が多い。途中までは「憎しみの連鎖」の話になるのかと思ったが、結末も良い。
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