ダウト 偽りの代償のレビュー・感想・評価
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設定は独創的で興味深いけど・・・
不正を働く検察官を糾弾する為、自らを犯人に仕立て上げた報道記者の窮地を描く物語。
マイケル・ダグラスが悪役を担うサスペンスです。
設定の斬新さが興味を引き立てます。冷静に考えるとかなり無茶な設定ですが、直前に左遷された設定を入れることで納得感を感じることが出来ました。
ただ、高評価はここまで。折角の基本設定を面白くするアイデアがなく、尻すぼみになっていきます。
主人公の罠に気付いた検察官の妨害工作が力技だったことに、まず失望。証拠の動画を家探しして奪い、殺人まで平気で犯します。確かに、「殺人してでも」と考えるシチュなのでしょうが、それを平気で行うにはキャラ設定が違うように感じられます。
次に、DNAのトリックが余りにも簡単だったことも残念に感じます。相手弁護士が少し頑張れば簡単に覆せる方法で、そんな危険なことするわけないだろう・・・と思わずにいられません。
ヒロインの危機も、犯人の威嚇は派手ですが何をしたいかわかりませんし、いきなり正義の刑事が登場して、助けて「怪しいと思っていた」では脈絡がなさすぎます。
制作側も「薄い・・・」と思ったのでしょうね。最後に、実は「主人公が本当に犯人で・・・」というトンでも展開。いくら秘匿していたとはいえ、過去に因縁のあった女性を殺し自ら名乗り上げる設定は、いくら何でもやり過ぎでしょう。
「実は、主人公と被害者に過去因縁があって」を使うなら、検察官がそれを掴んで反撃する・・・なら、説得力が大幅にアップします。力技を入れなくても済みます。
「実は、主人公が犯人で」を使いたいのなら、この罠を仕掛ける為に、通り魔的に殺人を犯した・・・の方が説得力があるように思えます。
そもそも、私が「主人公が犯人です」という展開が大嫌いなこともあって、私的評価は厳しめ。勿体ない作品でした。
脚本は凝っているが、後味は悪い
総合:70点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
野心溢れる記者が企む企画と、裏をかかれて窮地に陥る様子を描く。
凝った内容でそれなりに面白かったのだが、見終わった後に残る気持ちがあまりよいものではない。短時間で男を愛して彼のために命懸けの行動をした後で、 あっさりと捨て科白を残して立ち去るのが最後の場面というのは、切り替えが極端すぎるように思う。もう少し違う展開はなかったものか。
さんざんと戦った後で、マイケル・ダグラスにたいしてこれまたあっさりと逮捕されてしまうのも拍子抜け。まあこれはそのあとの話があるから、ここにあまり時間をかけるわけにはいかなかったのでろう。
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