コレクター 暴かれたナチスの真実のレビュー・感想・評価
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子供を殺すような男が無罪で良い訳がない。
ユダヤ人の少年が「イスラエルへ行く」と言う。ピーターは答える
「砂漠ばかりだぞ。アラブ人には気をつけろ」
子供を殺すような者が無罪で良い理由が無い。
さて、こう言った犯罪は一部と、この映画は締めくくる。
さて、確かに一部で「ナチス・ドイツ」の愚行や「ムッソリーニ」の蛮行は散々報じられ、「スターリン」や「毛沢東」までその範疇として犯罪者とされる場合がある。その事に異論がない訳ではないが、さて、大日本帝國の犯罪はどうなったのだろうか?大概は「東條英機」を引き合いに出す。しかし、彼はヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東と比べられる様な人物ではない。陸軍大学校から戦時下の総理大臣になった人物というだけである。つまり、独裁者と言われる人物ではないと言う事だ。
だから、日本の独裁者はどこかに隠れていると僕は思っている。戦争に負けた事と明治以来の皇室中心の政治体制がうまい隠れ蓑になったと思う。敗戦とGHQと新憲法と皇室を隠れ蓑にして日本の独裁者は生き延びたのかもしれない。でも、そんな狡猾な人物は元々日本にはいないのかもしれない。寧ろ、大日本帝國、大政翼賛会が言うように「進め!一億火の玉だ!!」だったのかなぁ?
虎の威を借る狐の犯罪・・
ホロコーストを巡るナチス残党狩りの映画が多い中、本作のユニークなのはオランダの一民間人ピーテル・メンテンがナチスの威光を借りてポーランドの村人を大量虐殺していたという驚愕の実話に基づいているところでしょう。
映画の中で描かれる動機は、ポーランドに移住し貿易で富を築いたメンテンはソ連軍のポーランド侵攻で共産主義に加担する村人に財産を没収され命からがらオランダに逃げ帰った経緯があり、虐殺は当時の村人への私怨による復讐とされている。であるからかメンテン夫婦には悔悛の情は微塵も感じられないところが異様である。
主人公は報道系週刊誌の編集長、覚悟は立派だが取材による地道な調査報道というよりタレコミや協力者のもたらすネタに頼るばかりなので記者ものとしての迫真性は希薄、親会社の新聞の日和見姿勢も通俗的過ぎて予見可能、実話らしいと言うならその通りです。
法務大臣の弱腰、仲間の裏切りなどに遭いながらもなんとか訴追にこぎつけた主人公だが正義感に燃えるジャーナリスト魂というよりユダヤの血脈に突き動かされているようでもあり描き方は微妙です。
ヨーロッパ人の中にはナチスに限らず商才に長け同族意識の高いユダヤ人を疎ましく思う人たちも少なからずいたのも事実でしょう、中央アジアやアフリカでの大国の介入を契機とする内乱の絶えない様にも通じるようでもあり、人と言うのはつくづく罪深い生き物と思い知らされる映画でした。
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