アナーキー 無法集団のレビュー・感想・評価
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真実の愛には終わりがない
離婚調停中の人妻アレックスに一目惚れした金持ちの息子クラレンス。内気で女の子を誘うことも出来ず、女たらしのパトリックという男に頼んで自分がヒーローになるように芝居を打ってもらうことになった・・・よくあるパターン。暴漢に襲われる彼女を助けるという茶番劇だ。
パトリックの金の要求はどんどんエスカレート。その代わり完璧な芝居をしてくれるだろうとパトリックは要求を飲む。恋人や仲間たちを使いアレックスを誘拐し、そのままパトリックの豪邸へと突入。好きな女アレックスを拘束して、身代金をそのまま頂くというシナリオだった。しかし、拘束を解いたアレックスが男を一人殺してしまい、事態は意外な展開を見せる。スカッとさせるどころか次々と人が死んでいき、タランティーノ作品のように地獄絵図と化してしまう。
実はパトリックは離婚届にサインをしないアレックスの現夫だった!というところまでは読めてしまう。もしかしたら、クラレンスの仕組んだ芝居もアレックスの案だったんじゃないかと勘ぐってしまったが、さすがにそれはなかった。警備システムのおかげで警察官もやってくるが、パトリックが警官を射殺してしまい、にっちもさっちもいかなくなるのだ・・・
パトリック以外は仲間は死亡。クラレンスは形勢逆転してパトリックを逃がすのだが、彼はアレックスに「選択肢その1、君が僕を撃って全て僕の仕業だと言う。選択肢その2、僕を警察に逮捕させる」と言うが、徐々にクラレンスに心を開いていったアレックスは「選択肢その3は?」と問う・・・そこで終幕。
当然、選択肢その3はクラレンスとアレックスが一緒に逃げることなのだろう。真実の愛には終わりがないんだから。
どんでん返しによって騙されてしまいがちだけど、思い起こすと辻褄の会わない展開も出てくる。有名人の名言も織り交ぜながら進み、パトリックの「常に相手より賢くあれ」という言葉をそのまま返すというところもいいけど、「偶然なんて必然の連続であってそんなものはない」というのがプロットの基本だったのかもしれません。
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