KOKOROのレビュー・感想・評価
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visionと似てる
心に穴が空いた外国人が日本の秘境に訪れ、同じく穴の空いた人々と触れ合うことで穴を埋めていく、的な。
映像が綺麗。登場人物も魅力的。ただ麦ちゃんの化粧の濃い女子高生っぷりには違和感。麦ちゃんはやっぱ素朴な感じが一番。
完璧でちっぽけな人生。
生きる意味なんかない、ただ息を吸って吐くだけ。
印象深い
最初の三分の一ぐらいは少しストーリーが動きますが、それは残りの部分のための序文のようなもので、後半はストーリーがほとんどなく、静かに時間が流れます。が、なぜか印象深い。「感動した」というのとも違うし、映像が「きれい」というのとも違い . . . . でもなんだか、静かなのに退屈せずもう少し観ていたかったというぐらい、惹きつけられる映像と音楽でした。
実存主義
高収入の夫とティーンエイジャーの二人の子供がいて広い家に住んでいるという、主人公のステレオタイプの幸福は、弟の死によって崩れ去ってしまう。死がこんなにも身近で肉体はいとも簡単に滅びてしまうという事実は、主人公を魂の救済の旅へ押しやる。
弟を怒らせて事故に至らせてしまった罪悪感はいつまでも消えないが、訪れた自殺の名所で自殺の危機に瀕した人々が本当に自殺してしまったり、或いは思い止まったりするのを目の当たりにすることで、いつしか生の本質に気がつきはじめる。
主役の女優イザベル・カレはこの映画で初めて見たが、表情を豊かに表現するタイプではないように見えた。しかしそれは、静かに時間が過ぎていく環境の中で心もまた静かに変化してゆく様を表現するためだったようだ。この人が陽気に笑う顔を見てみたい気にさせる好演であった。
門脇麦はエキセントリックな役柄を演じるのがとても上手である。この作品では主人公を誘導する狂言回しの役割を上手にこなしていた。
國村準は何でもこなす名人だ。この作品では、自殺する人たちを時には助け、時には死体を確認しながら、未だに悟りを得られない自分自身を正面から受け止める退役警官の役が見事であった。
ストーリー性のない、情景描写と心象風景の映画だが、見終わってどこかホッとする、とても哲学的な作品だ。人間存在の本質を問いかける実存主義の映画といってもいい。静かで上品な作品である。
ストーリーに説得力が全然ない
多くを書き込む気が起きない。
美しい風景に引き込まれるくらいなもので、話のスジが浅い。
日本にやってきた自殺志願者の映画なら、「追憶の森」の方が数段よかった。あちらの方が、絶望の淵から生きる希望へと心境が好転していく様が見事だった。
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