ネタバレ! クリックして本文を読む
古い時代を知っている方であれば、スティーブン・キングといえば、本作か『IT/イット』と言う方が多いのではないでしょうか?『IT/イット』はリメイクされたため若い人にも知られましたが、本作も負けてないくらい面白い作品で好きな映画です。(リメイクして欲しい!)
冒頭30分で虜になる面白さ。この先何が起こるのか、どんな展開になるのかと、出だしからすぐにのめりこみます。夜間飛行の同じ飛行機に乗り合わせた人たちが過去の時間に取り残され、他人同士であった個性的な10名がおりなす展開が実に興味深く面白いです。リーダーシップをとるもの、不信感を示すもの、嘆くだけのもの、徐々に恋愛が芽生えるもの、今までの人生に後悔を示すものと様々な人間模様が描かれます。
特記すべきは、盲目少女とダイナと精神異常者のトゥーミーとの関係でした。トゥーミーを救いたいと声をかける彼女は、トゥーミーに胸をナイフで刺されてしまうのです。それでもダイナはトゥーミーのことを常に思い気にかけ、彼のトラウマである父親という苦しみから解放させようとします。観ていて、ダイナの心の優しさや清さに感動すら覚えるのです。
が…。そこはスティーブン・キング原作ということを失念してました…。最終的な結末は。ダイナみんなを救うため、トゥーミーを人喰いモンスターランゴリアーズの餌食にしただけだったのです。おぉ~何たることだと少しでもダイナの姿に感動した自分を悔やむのです。
そうです、この作品は人喰いモンスターのランゴリアーズはおまけの存在であって、同じ危機に置かれた時の人間の生き様を描き、人間の本質が見え隠れします。人間のすばらしさと共に、人間の残酷さも表現されているのです。
最終的に生き残った者の喜び方は異常なほどで違和感も覚えました。だってね、数分前には生き残れた者のために犠牲になった人がいるんです。そんなことは一瞬で忘れてしまったような強烈な歓喜です。特に女教師は、死んだ工作員と直前まで愛の約束までしてたのに。
協力し合ってきたのに、最後の最後に所詮は偶然に出会った10人、自分が助かることが一番と言いたげなラストであります。
さてさて、もう一つの見所(といっていいのか!?)は、人喰いモンスターランゴリアーズの姿です。足音は聞こえども姿は見えず。もぅ、とことん引っ張って、引っ張って、引っ張り続けて期待させた挙句、登場したのはチープなCGで違和感有りまくりの、口だけモンスター!
えっ!ちゃっちぃ~~~!!!