「名前も価値もつけられないなにか」希望のかなた ありきたりな女さんの映画レビュー(感想・評価)
名前も価値もつけられないなにか
映画が始まった瞬間の、フィンランドの海の青深さと質感に静かに心が震える。35mmフィルム上映だったのを忘れてました。フィルムはいい。
これと言った話があるわけではないけれど、言葉も立場も違う人たちのささやかな瞬間を垣間見る。親切心とか善意とか、そういうものに近いのだろうけど、言葉や名前がつけられない、そういう"なにか"をただ映すよう。
現実が何か大きく変わるわけでなくとも、私はこの終わり方を悲劇的にはあまり思わなかった。深い余韻と、その後の彼らの人生に想いを馳せた。
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