「殺し屋と用心棒」ヒットマンズ・ボディガード 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
殺し屋と用心棒
日本では劇場未公開(Netflix配信)の2017年の作品。
ライアン・レイノルズ、サミュエル・L・ジャクソン、ゲーリー・オールドマンら豪華キャスト、痛快なアクション・コメディだけに勿体ない。
一流のボディガード、ブライス。“クロサワ”警護の任務中に依頼人を暗殺され、それをきっかけに第一線を退き、金持ちの警護で日計を立てていた。
その頃、国際司法裁判所でベラルーシの独裁者デュコビッチに対する裁判が行われていたが、有力な証人が次々に殺され、罪を立証する決定打に欠けていた。
そんな時白羽の矢が立った証人。プロの殺し屋キンケイドは、妻ソニアの釈放を条件に証言する事を承諾。
が、キンケイドを護送中、デュコビッチの手先に襲撃。唯一生き残ったインターポールの捜査官アメリアは、元恋人であったブライスに助けを求めるのだが…。
オイオイ、だったら応援を呼んだら?…と思うが、そうだったら話が始まらない。
インターポール内にデュコビッチのスパイ。すぐ察しは付くけど。
普通ボディガードが警護するは要人だが、殺し屋なのが面白い所。
しかもこの二人、顔を合わせた瞬間に取っ組み合うほどの訳あり因縁。何度コイツに襲撃された事か…!
さらに衝撃の事実発覚。“クロサワ”の件はうっかりアメリアに話をしそこから漏れ彼女を責めていたが、殺ったのはコイツ。またしてもお前か!
護送開始からの罵り合い。
事実発覚しての怒り爆発怨み節。
火花バチバチの道中。
が、襲撃の際は不本意ながらも協力し合う。二人共プロだから、その無双っぷり!
おっさん二人で恋バナ。恋人と破局したブライスと奥さんLOVEのキンケイド。
俺の人生をメチャクチャにした奴。だけど俺はプロのボディガード。憎いこンちくしょうを目的の場まで送り届ける。
敵対し合い、出し抜こうとし、協力し合い、ピンチには助けに現れ…。
ベタだからいい、男二人の奇妙な連帯感。
旅は道連れ、世は情け。
作品の魅力のほとんどと言ってもいいライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソンのやり取り。
いつもより真面目気味のライアン。でもやはり何処かズッコケ感ある。
対する無鉄砲でマシンガン・トークのサミュエル。
絶妙なボケ&ツッコミ、抜群のコンビネーション。
そりゃあこの二人で面白くない訳ない。だって、デップーとフューリーだもん。
他キャストも…
デュコビッチ役のゲーリー・オールドマン。“ゴードン”が十八番の悪役。
キンケイドの妻にサルマ・ハエック。出番は多くないが、『エターナルズ』のリーダーが夫を罵り倒す強烈妻でインパクト。
アクションは意外にも迫力。
序盤の襲撃。
個人的にイチオシは、ブライス、キンケイド、デュコビッチ部下の三つ巴によるバイク&カー&ボート・チェイス。
クライマックスに至るまでアクションをたっぷり織り込み、ハラハラドキドキやユーモアも随所に。
意外はこりゃ失礼。舐めて貰っちゃ困るぜ!
ツッコミ所はお約束。
スパイの正体はすぐ分かるし、二人の不死身っぷりはもはやスーパーヒーローですか!
結局最後は殺しちゃうんだ…。
それでも、本当に気楽に痛快スカッと楽しめるアクション・コメディ。
「退屈が一番」なんて言ってたけど、
退屈はしなかった。