「「終わりある日常」を生きるということ」君の膵臓をたべたい かがみさんの映画レビュー(感想・評価)
「終わりある日常」を生きるということ
桜良は自分の中に鳴動し始めた「死」と向き合う最善の選択肢として「終わりある日常」を精一杯生きて、その「生」を祝葬する生き方を選ぶ。つまり本作は桜良が「終わりある日常」を生きる中で「私」を取り戻していくという「自己実現」の物語でもある。本作がセカイ系的想像力を基盤とするにもかかわらず、幅広い層の共感を呼んだ要因はその辺りにもあるのではないかと思う。
桜良のビジュアルイメージは実写の浜辺さんのイメージが先行していたので、少し大人っぽく儚げなキャラデザとウザカワな性格はややミスマッチな印象は少し感じた。【僕】の表情が少しずつ優しくなっていく変化の過程がよく分かるのはアニメというメディアならでは。原作にはない花火のシーンは良かったです。
決して悪い出来では無いが、個人的に重要と思った台詞がいくつかカットされていたのでこの評価。
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