劇場公開日 2018年9月1日

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「オチ以外の予定調和」君の膵臓をたべたい Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オチ以外の予定調和

2018年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

萌える

 実写が先でアニメが後でその間があまり離れていないため、実写版を見た人が比較のために鑑賞するケースがワリと多そうな作品。自分は実写版は鑑賞していません(実写映画自体ほぼ観ません)。
 なので作品単体の純粋な感想が述べられると思いますが、実写版の方が評価が高いと言う風の噂を耳にしていたためソチラがどう仕上がってたのかがチョットだけ気になりました。

〝出オチ〟スタイルで話は進行し、オチまでの過程『ナゼそうなったのか』の出来が非常に重要となり、これが作品の善し悪しを大きく揺さぶって決定づけるわけですが、そこは重病とは思えない終始天真爛漫なヒロインと朴念仁的な男子が、平凡ではない日常を展開します。
 それが自分の様な女性に縁のなかったオタクのオッサンの妄想と大差ない内容で、どうにも2〜3歩先が予想できてしまい、そして当然のごとくその通りになっていきます。いささか素直すぎな展開(予定調和)と思え、余命幾ばくもない短い時間をセッセとフラグを立ててるんだなと。ヒロインはソレを否定?しましたが、まァそう言う妄想的な展開はこの際アリかもです。

 ところがそのオチは予想を裏切るまさかの展開となる訳ですが、描写があまりにアッサリ片付けたため印象が薄く、そんなんでいいの?と疑問に変わってしまいます。
 ですがこのオチも別の意図を勘ぐります。ヒョッとして〝不謹慎論〟を警戒したのかな? ならば余計に、ンじゃ今までのは何だったの?となりかねず、誰にでも起こり得る不幸をなぜワザワザ病気のヒロインに降りかけたのか? ポジティブな結果に導かれない踏んだり蹴ったりな不幸超過はサスガに疑問が残ります。
 終盤に至っては、事の次第の全てを説明しようとした感の間延びが気になります。星の王子さまっぽい演出のクダリはあのタイミングで必要なんですかね?

 命の儚さや人同士の繋がりや絆などの大切さを表したかったのかも知れませんが、映画は娯楽であり国語の授業教材でもないので、個人的には面白いかそうでないかのベクトルでしか観ないし評価しません。そう言う意味では今ひとつ物足りない作品で、このお話そのものがあまり自分には馴染めず趣味じゃないかな、と言う結論に至りました。

Geso_de_Nyoro