「オタクとパンピーにヒットしたスイーツ」君の膵臓をたべたい 小森さんの映画レビュー(感想・評価)
オタクとパンピーにヒットしたスイーツ
まず、オタクの考えたお涙頂戴恋愛にパンピーが知らずに大ウケしたみたいな印象を持ってしまいました。
会話の言葉選びが気取ったオタクの喋り方なのでちょっと寒いな~と思います。主人公くんは文学が好きにしてもちょっと……独白台詞も多いのでまず合わないと辛いかもしれません。
せっかくの映画で、大きなスクリーンで魅せることができるのだから、心情は動きで補完できたんじゃないかなと思います。
それと、ヒロインの強引さが病気を盾に、誰も叱られることもなく、主人公に降り掛かるところは見ててストレスを感じました。それでも主人公くんが彼女に惹かれたならもうそれでいいかな、二人ともスイーツ脳で…と思えたのでそこはいいですけど。ヒロインが自業自得で襲われかけた後、ごめんね、と謝るところからは良かったです。
恭子ちゃんにもなんか理不尽に叱られたりビンタされたりしたままなの個人的に消化不良です。それでいいのか……。
キャラクターの性格や立場が記号的なので高校生の繊細なジュブナイル映画を想像するとがっかりすると思います。あくまで軽くて浅い、お涙頂戴の恋愛映画くらいの気持ちで観に行くと納得できると思います。絵はかわいいので。
感情の起伏の少なかった主人公くんが日記の最後で声を上げて泣いてしまうところはぐっときました。さくらちゃんのお母さんに一言許可をいただくところもいじらしくて良い意味で彼らしくてよかったです。
大トリとして、名前の伏線に「さくら」と「はるき」で運命を感じていたというのがスイーツ脳だな…としみじみしてしまいました。親がつけた名前でしょうに……都合よく舞い上がっちゃうところ、浮かれてて非常に高校生らしいですね。