「続きはテレビシリーズで、ってことだけど」ダークタワー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
続きはテレビシリーズで、ってことだけど
原作小説はスティーヴン・キング畢生の全7部作の超大作。
それを映画にするのは無理があるだろうと端から思うのですが、映像作品も観てみたいと思うのはファンならではのこと。
ニューヨークに暮らす少年ジェイク(トム・テイラー)は、毎夜おなじ悪夢にうなされていた。
それは巨大な暗黒の塔ダークタワーを何者かが破壊しようとしているもので、塔が壊れていくのと同じくして、現実世界のニューヨークも自身が起こり影響を受けていた。
塔が壊れると世界は「闇と炎」に包まれるが、ジェイクのカウンセラーは、それは火災事故で死んだ、消防士だったジェイクの父親の暗い影だという。
しかし、ある日、ジェイクはダークタワーが存在する世界(「中間世界」と呼ばれる)に行き、塔を守るガンスリンガーのローランド(イドリス・エルバ)と出逢うのであった・・・
というところから始まる物語で、7部からなる超大作の原作の要素を織り交ぜて1本で(1本でも)完結する映画に仕立て上げました。
監督は脚本にも名を連ねるニコライ・アーセル。
聞いたことがあるな、と思ったら、『特捜部Q』シリーズの脚本を担当していたひとで、これまで日本公開された3作とも彼の手によるもの。
あちらの小説も長く(1作目の『檻の中の女』だけ原作も読みました)、それをいずれも90分ぐらいにまとめているので、相当な腕力のある脚本家ですね(良くも悪くもかもしれませんが)。
本作品も、ローランドと少年ジェイクにだけに話を絞って、巧みにまとめたと思います。
とはいえ、中間世界(ミッドワールド)や基底世界(キーストーン・ワールド)とか、そもそもダークタワーって何?というような説明はほとんどありません。
が、原作でもそこいらあたりのことは読み進めていくうちに追々わかる(わかったつもりになる)ように出来ていたので、本作ぐらいの説明で個人的にはOKでした。
とはいえ、子どもの心がダークタワーを壊す、というような設定てあったかしらん?(と、憶えていません)。
で、黒衣の男(マシュー・マコノヒー)は一旦倒された形で終わる本作ですが、こいつは手を変え品を変え幾度も登場する手合い、さらにはキーとなる薔薇も最後に登場したので、今後も愉しみです。
この続きは、テレビシリーズ化されるようでアナウンスされていますが、さて、いかがなものか。
さらに、『特捜部Q』の第4弾も製作されているようなので、完成次第、日本でも公開してほしいものです。