劇場公開日 2018年1月27日

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「画面作りだけだった」ダークタワー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5画面作りだけだった

2018年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

あんまり中身がない。
主人公であるガンスリンガー(善の守護者)・ローランドのヒーロー性を押し出すためなのかもしれないが、原作を色々端折って、設定説明も最小限にとどめた結果、単なる蔑称としての「児童向け特撮映画」っぽくなっちゃった印象。
(人を残虐に殺しまくるシーンがあるから、純粋な「児童向け」にはなってないが)
シンプルといえばシンプルだが。

銃を撃つシーンはかっこいい。
というか、無敵すぎてほれぼれする。
この画面作りはよかった。
だがそれだけ。

って書いていますが原作は未読。
しかしながら、様々なキングの小説をつなぐ、いわばキング版ユニバース(というか『バイオレンスジャック』)で、かつ『ロード・オブ・ザ・リング』や『アーサー王伝説』にも通じる長編世界… らしいという知識だけはあった(新潮文庫、長すぎるんだもん)。

実際、映画の中には『IT』のペニーワイズの遊園地や、『シャイニング』の舞台「オーバールック・ホテル」が出てくる。
だが、ある種「お遊び」というか、「ふりかけ」みたいな添え物した程度。本筋には関係なく、おそらく原作リスペクトとファン&マニア向けサービスってところか。

さらに、敵に全然感情移入ができない。

「世界のバランスを壊し、混沌に乗じて全多元世界の王になる」って動機らしいんだけど、なって先のビジョンがよくわかんない。
破壊衝動で壊すだけのほうがまだ理解できる。
「統治者・独裁者」って案外めんどくさくて報われないって、世の理を知ってる歳に自分がなったせいかもしれないが。

『ハリー・ポッター』シリーズで、映画だけ観てると「ヴォルデモートの動機がいまいちわからなくて、きっと原作には壮大なことが書かれてるんだろう」と感じるのだけど、「映画だけでわかるように作れよ」とポッターと同様、本作もイライラして、色々疲れて眠気と戦う羽目になってしまったのだった。

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コージィ日本犬