ひいくんのあるく町のレビュー・感想・評価
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素晴らしい卒業制作
印象に残った場面は、後半に出てくる、監督が小さいころに通っていた近所の電気屋さんのところです。かなりの働きもののご主人が長年切り盛りをしていたのですが、脳梗塞でたおれ、その後認知症を発症し、電気屋はシャッターが降ろされてしまった。それを、奥様が語った場面は「シャッターの中」でした。シャッターの中が観られるなんて!ほんとうにここ上田市の商店街でもシャッターが沢山おりているのです。中は暗くて、妙にクラシックな家電製品たちが、うつくしくみえました。
失われつつあるものの今
高齢化し活気が失われていく地方の町とそこの商店街。軽い知的障がい者を暖かく包み込むコミュニティ。経済至上主義とそのために求められる経済合理性と効率性が人間らしい生活を蝕んでいる現実社会の姿を、一地方を素材に描いている。
地味だが秀作。
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