「マキアが自分の人生を受け入れる物語」さよならの朝に約束の花をかざろう さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)
マキアが自分の人生を受け入れる物語
去年僕は80本近く映画を観てきたのですが、その中で1番好きな作品です。
素晴らしかった映画は数ありますが、その中でもやはりこの作品だけは譲れませんでした。
恐らく僕が今まで劇場で観た映画の中で一番泣いた映画です。
こんなに泣いたのは「グッド・ウィル・ハンティング」を観て以来かもしれないです。
単なる「泣けるアニメ」では無いです。
「泣ける映画」と言うと人が死んで悲しいだけで泣かそうとする作品が多いのですが
、この映画は観た後に「暖かい涙」を流せて「明るい気持ち」になれると思っています。
確かに「泣かせよう」とする演出や何度も観ないとわかりづらい設定も含まれていますが、それでもこのストーリーとキャラクターには引き込まれました。
似た設定の作品にクリストファー・ノーランの「インターステラー」がありますが、親子の年齢が逆転する設定をこの映画よりも深く強く描かれているのが特徴です。
長寿の主人公マキアの母親としての生きざまに強く心揺さぶられました。
拾い子のエリアルとは血の繋がりが無いことと、いつか自分の年齢を追い越して先立たれてしまうという切ない運命を受け入れる姿に観る度に涙が出ます。
ですが、この映画のテーマは「自分の人生の受け入れる事」だと思っています。
この映画はエリオルとの関係性を軸にマキアの半生を描いていますが、その人生がどんなに辛いものだったとしても、それを肯定的に受け入れる事が"幸せ"の一つなんだとこの作品から教わった気がします。
僕はこの映画を初めて観たとき、実は精神的に辛い状態にありまして、辛い過去に何度もくよくよしていました。
ですがこの映画を観て、過去に対して前向きに考えられるようになりました。
スタッフの皆さん、キャストの皆さん、
そして監督の岡田麿里さん、
改めてこの素敵な作品を作って下さって本当にありがとうございました!