ポルトのレビュー・感想・評価
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ポルトという街の芳醇な魅力
ポルトガル第二の都市、ポルトを舞台にしたラブストーリーだ。およそ世界の99.9999%の人にはどうでもいいけれど、本人たちにとってはかけがえのない運命の一夜を、いくつかの時間軸や映像スタイルを交叉させながら描いている。とても大切な切なくて美しい話だと感じる人も、お前らのことはどうでもいいわ!と思う人もいるのではないだろうか。
ただし、ストーリーだけを抽出して語れる類の映画ではない。とりわけ主人公ふたりを包み込んでいるポルトという街の魅力に惹き付けられる。
実は自分は大昔に一日だけポルトを訪れたことがあって、大都市とは言えないがそれなりの規模の街で、勘所をつかめないままに離れてしまった。現実より映画の方が美しく撮られているとは思いつつ、この映画のような視点でポルトという街をもう一度眺めてみたい。そんなことを思わせるのもまた映画の魔法だろう。
男みたいにすぐイッちゃった…( ゚д゚)ハッ!
最後にfor アントンとクレジット。
スーパー8、16ミリ、35ミリと色んなフィルムで撮られたリスボンに次ぐポルトガル第二の港湾都市。
26歳の孤独な異国人、友達はビーグル?犬だけ。決まった仕事もなし。
32 歳のフランス人留学生。ソルボンヌ大学で知り合った教授とポルトへ来たものの、自由を求め引っ越したばかり。
てっきり一夜の物語やと思ってた。
旦那も子供も捨てて自由になりにポルトに一人で引っ越してきてジェイクと2,3度偶然に会うてしっぽりなったもんやと。
一夜の一件からマティは教授と結婚、娘を生みそして離婚、
ジェイクは相変わらずポルトでうだうだしてるってことね。
あの奇跡の一夜をお互いが思い起こしているってことでええんかな?
ジム・ジャームッシュ風
ちょっと見た感じ、ジム・ジャームッシュの初期の未発表作かと思っていたら、監督が若手だったのですね。
ストーリーなんてどんでもよくなるほど甘い性の生活。ジェイクは26歳だし、若いんだよな。あそこも。どうでもいいくらいの内容だが、やはり自分の若かりし頃を思い起こしてしまう映画。二人とも外国人であるから、異教の地で互いのアイデンティティを共有できる素晴らしさ。美しい港湾都市ではあるが、隔絶されたかのような、何らかの疎外感があってこそ二人が結ばれたという雰囲気がいい。
ジェイク、マティ、ジェイクとマティという3章立てになっていて、時間軸も交差するが、それほどの効果も感じられない。「80歳のセックスをしよう」だなんて会話もあったが、そんな未来は感じられないんですよね。現在という空間を生きてるだけの二人でした。
to Antonのクレジットが何を意味するのかと思ったら、主演のアントンが亡くなっていたのね。それを知ると悲しくなるなぁ・・・
肉食系美女と冴えない男の悲しい狂奏曲?
本作の主人公ジェイクを演じているのは、あの将来を有望視されていた若手俳優のアントン・イェルチンだとはとてもとても思えない!
冴えない男の代名詞のような、絶対に女子にモテ無い男の役がピッタリ嵌ってしまうなんてマジ信じられません!そして更にアントンが27歳の若さで亡くなった事も信じられない事だよね?
いくら車の事故とはいっても死ぬ事は無かったのに残念だ。
ひょっとして本作が遺作になったのかな?だとしたら、ちょっと情けない役だから彼には可愛そうな最後だと思う。
本作はジム・ジャームッシュの製作と言う事でレンタルしたけれど、正直私の肌には合いませんでした。
私は、昨年は余り映画を観る機会が作れなかったのだけれども、そんな中で観て気に入った作品がジャームッシュの「パターソン」だったものだから、レンタル屋で本作を見つけたら変に期待が膨らんでしまったが見事に外れました!
異国の地で見知らぬ男女が出会い、いきなり身体の関係に発展するか?この絶対にモテ無いフリーターのジェイクなら、年上のマティに声をかけたくなる気持ちは十分に理解出来るけれど、このマティと言うヒロインの気持ちが理解出来ないのだ!
マティは頭も良さそうで、仕事も出来そうだし、どうしてそんなに孤独かな?
本作の監督ゲイブ・クリンガーはジムと共同で制作もして、脚本、編集も担当していると言うから、きっと映画作りに関してマルチの才能が有るのかも知れないけれど、私には本作に関しては監督クリンガーの女性に対する妄想映画としか思えなかったが、もしあなたなら、どう言う解釈をするのだろうか?
女性にも、身体で心の寂しさや孤独感を埋め合わせたいと言う気持ちになる事もあるだろうけれど、
一夜限りの恋?と言うには納得がいかない、余りにも衝動的過ぎるとは思えませんか?
ポルトの街は、きれい
恋ですらないけれど
ジム・ジャームッシュが好きなので観ました。ストーリーの是非はともかく、まず、編集がジャームッシュっぽい!オシャレ!好み!と思った。切ない題材を扱うところも。製作総指揮ってどんな関わりかたをしたんだろう。登場人物に感情移入できなくても、観られて良かったと思える作品だった。
恋という言葉をレビューで見かけるが、あれは、恋ですらない、と思う。愛でもなければ、恋でもなければ、運命でもない。なんだろう?名前がつけられないなにか。育てていくことは決してできない、きらめきは今にしかない、幸せとはほど遠いのに、自分の意志とは関係なく、いろんな条件が重なって、堕ちてしまう穴のようなもの。そういう、なんのプラスにもならない、なのに惹きつけられてしまうなにかが、人生にはあるときもあるということ、とくに病んでいるときには。その短くとも濃厚な時間を、陳腐でなく描いた良作とおもった。
To Anton
というクレジットが切ない。
オンリーラヴァーズレフトアライブや君が生きた証に出ていたことを知ったけど、全然印象が違った。本作も、彼が生きた証になる作品だ。
アントンの繊細な表情
一夜限りのできごと
男と女の間にある幸せな時間の残し方
ポルトガルの街ポルトで出会ったマティとジェイクの物語
まだ公開前なので、ここではあまり多くを語らないでおくけど
アメリカ人男性と、フランスからやってきた女性が、ポルトという異国の街で、解放的な気分になっていたこととか、
「ひとつの恋」に対する男性と女性の記憶の残り方に違いがあって、
そこがとても面白かった
同じ記憶でも
ある人にとっては、それが人生を支配して、常に頭から離れないけど
それがある人にとっては、人生のひとつの通過点になってしまっているということ
唯一確かなことは、
2人で一緒に美しく幸せな朝を迎えた
ということ
男女間での恋に対する想いの違いは、「(500)日のサマー」を思い出したし
製作総指揮がジム・ジャームッシュということもあって、「ポルト」という街を描いているところは「パターソン」を思い起こさせた
そして、観る前から予想していたことだけど、やっぱり、アントン・イェルチンが恋しくなってしまった
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