「回復再生のドラマ」四月の永い夢 Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
回復再生のドラマ
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はっきりとは示されていないが、別れた寸前の交際相手がおそらく自ら死んでしまい、それが心から離れず、さまよっているような女性主人公(朝倉あき)が心を回復させるために、交際相手の田舎の実家まで旅をし、その両親や妹と語り合い、そして現在、不器用なてぬぐい工員(三浦貴大)の下手くそなアプローチと、ラジオから流れてきた工員の書いたメッセージを偶然聴いた主人公の
ラストの思わずの笑顔が印象的な良心的な作品。惜しいのは、死んだ交際相手との回顧シーンにはっきりとはあらわされてはいないが手と手を絡ませるだけの映像で、婚外性交渉を予想されるような場面があったのは、私の感覚からは余計だと思ったので減点。だが、おそらくその交際相手とは結婚寸前までいったからこそ、喪服で桜と菜の花の中をたたずんでいる主人公の、ラスト同様に
印象深いシーンが示されていたのだろう。とにかくラストに思わず破顔してしまう主人公は心身ともに美しい。
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