「最高裁まで争い、弱者を蹂躙する「ニッポン国」という組織」ニッポン国VS泉南石綿村 GAJIさんの映画レビュー(感想・評価)
最高裁まで争い、弱者を蹂躙する「ニッポン国」という組織
泉南アスベスト国賠訴訟を8年に渡って追った原一男監督によるドキュメンタリ。
地裁から最高裁まで争う中で、次々とアスベスト症により亡くなっていく原告団。
昭和33年から46年の間に石綿工場に直接従事していた者に限定される被害者認定。
そして石綿製造が、旧帝国時代に行われた朝鮮半島支配と、在日朝鮮人への差別にも根ざしている「ニッポン国」の不都合な事実が明らかになっていく。
一審勝訴は民主党政権で、比較的人権を重視する(であろう)政権であっても控訴を避けられない。原告団の落胆ぶりには同情を禁じえない。
国賠に対し国はどんなに勝ち目がなくても控訴し、最高裁まで争う。
時間と税金の無駄は言うまでもなく、被害者の人権を蹂躙する。
こういう慣習は今一度国民的議論が必要であろう。
非常に重い内容とドキュメンタリ独特の映像で、全編を一気に観るのは結構大変かもしれないが、ニッポン人として観ておくべき映画。
1時間づつくらい小分けに観るのもいいかもしれませんね。
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