劇場公開日 2019年5月18日

「民社主義の本質すら垣間見えてくる図書館ドキュメント」ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス MPさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0民社主義の本質すら垣間見えてくる図書館ドキュメント

2019年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

学生時代に勉強のために、また、社会人になってからは資料探しのために利用してきた図書館である。しかし、ニューヨーク公共図書館には、もっと広い利用価値がある。図書の検索を担当者が電話で直接請け負ってくれる。館内では著者のトークイベントや一流アーティストのコンサートが定期的に開催されている。仕事を探している人のために履歴書の書き方や面接の攻略法を教えてくれる。ハンディキャップを持った人たちにも同等のサービスが提供されている。つまり、図書館は本だけでなく、庶民が健全に生活するためのすべての方法が陳列された、文字通りの"公共"施設なのだ。このドキュメンタリーを見ると、民主主義の本質が垣間見えてくるほどだ。サービスの向上を目指して頻繁に行われるスタッフ会議の模様も含めて、情報がこれでもかと言うくらいギッシリ詰まった3時間超。しかし、それに付き合う価値は絶対にある。

清藤秀人