「『観る者を愚弄するかの様な後出しじゃんけん』」ドント・ハングアップ 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
『観る者を愚弄するかの様な後出しじゃんけん』
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自宅(CS放送)にて鑑賞。英国産、日本劇場未公開作。過ぎた悪戯電話が招くサバイバルスリラー。90分に満たない短い尺。SNS上で“イタズラモンキー69”を名乗る四人組にC.ウィルキンス扮する“イジー”から友達申請が来るのが事の始まり。どう見ても自業自得で、同情し兼ねる二人組だが、その両親や友人等が巻き込まれるのは理不尽である。意外性だけを狙った様な真犯人も一年の準備期間があるとは云え、余りにも有能で真実味に欠ける。後出しじゃんけん的に登場する設定等、鑑賞者にとってはアンフェアでご都合主義にしか映らなかった。45/100点。
・中盤、ミスリードを誘うゆったりとしたG.クレイトン演じる“ブレイディ・マニオン”の妖し気な言動、ショックを受けてるとは云え、合点がいかない。更に後半に差し掛かる辺りから暗い画面が多くなり、まるで本篇の拙さを誤魔化している様な印象を受けた。ラスト近くパトカーが駈け付けるシーケンスも前との繋がりが明らかに変で違和感が残る。ほぼ無音で尺稼ぎの如く無意味にゆっくり流れるスタッフロールも苛立った。
・本作が長篇デビュー作となったD.メイスとA.ワジブロア両監督によると、お二人揃ってW.クレイヴンがお好みの様で、本作は『スクリーム('96)』と『ラストサマー('97)』にオマージュを捧げたとコメントしている。亦、本篇内でTV画面に映っているのは両監督のショート・フィルム"Red Balloon('10)"である。
・鑑賞日:2018年8月24日(金)
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