「土屋太鳳の演技が光る凄みある愛憎劇」累 かさね みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
土屋太鳳の演技が光る凄みある愛憎劇
面白いという表現では物足りない。久々に凄いという表現がピッタリの邦画だった。画面に吸い込まれてしまった。典型的な入れ替わり劇だと予想して鑑賞したが、予想を軽々と超えた作品だった。
本作の主人公は2人。抜群の美貌を持っているが売れない舞台女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)と、演技力は抜群だが顔に傷がある淵累(芳根京子)。あるきっかけで彼女達は出会い、不思議な口紅の力で顔を入れ替えることによって、累は互いの強みを併せ持つ舞台女優となり、成功の階段を駆け上がろうとするが・・・。
顔を入れ替えるという設定なので、土屋太鳳も芳根京子もニナと累の二役を演じている。土屋太鳳は、今まで明るく健康的な役どころが多かったが、本作では一変して人間の業を背負った役に挑んでいる。自らの美貌に自信を持ち優越感に浸る鼻持ちならないニナと、傷のある顔に劣等感を持ちながらも自分を変えたいと熱望する累という全く性格の異なる二人の女性を鬼気迫る渾身の演技で見事に演じ切っている。特に、ラストの演技は出色で、狂気を感じる鳥肌が立つ程の迫力に圧倒される。本作は、間違いなく彼女の代表作になるだろう。
芳根京子も、静かな佇まいで、劣等感を背負う累の鬱屈した雰囲気と、そこから這い上がろうとする強い想いを好演している。浅野忠信も一筋縄ではいかない強かなマネージャー役を味のある佇まいで巧演している。
本作は、累が舞台女優として演じる作品が、彼女の想いと重なっているので、舞台シーンは彼女の独白のようであり凄味がある。また、極力サイドストーリは省き、メインストーリー展開に徹しているので、作品全体に切れ味があり、全編を通して、真と偽、優越感と劣等感というテーマは揺るぎなく、ラストまで緊迫感が途絶えることはない。
本作は、土屋太鳳を頂点にした、芳根京子、浅野忠信、3人の演者の演技力が際立つ作品であり、3人の創り出す壮絶な愛憎劇に心揺さぶられる作品である。
みかすきさん、ご丁寧にありがとうございます。
自分が画面から受け取る以上にみかずきさんの分析が気づけなかったところに的をいるようにしてさらけ出すので、さらにどろどろ感を感じてしまったのだと思います。
リカさん
みかずきです
レビューを評価して頂き、ありがとうございます。
渾身のレビューなので、レビューを読んで頂ければ私の主張は伝わると思います。
では、また共感作で。
-以上-
みかずきさんのレビュー、冷静に凄いです。二人の女優というか女の闘い、苦手なので好みではありません。それぐらい二人の演技が凄かったという事ですね。
みかずきさん、映画論評ですね。
実際されているのですね。
またコメントさせていただきます。
美紅さん
みかずきです
追伸です。
ビーフシチューの件は、女性らしいコメントだと思います。
女性らしい観点、気付き、エピソードですね。
では、また共感作で。
-以上-
美紅さん
みかずきです
共感&コメントありがとうございます。
本作、土屋太鳳、芳根京子が、従来のイメージとは全く異なる役に挑んだ衝撃作ですが、二人とも、見事に役を熟していました。
二人の演技力の高さに脱帽です。特に土屋太鳳があんな役を熟せるなんて思ってもいませんでした。
二人のバトルが作品のポイントになっていたので、
男性より女性の方が、二人の演技の凄さは実感できるかもしれませんね。
今後の二人の演者としての更なる成長に期待したいです。
では、また共感作で。
-以上-
土屋太鳳さんの学生ではない、大人っぽい演技が見られました。劇中で、女優のお母さんが、差し入れにビーフシチューを持ってきたけど、
レイトショーを見る前に、偶然ですが、私もビーフシチューを作ってから、出かけたことを記憶しています( *´艸`)
今晩は。
いやー。鑑賞記録用に使用していた時の拙きレビュー、恥ずかしき限りです。みかずきさんのレビューを拝読して、この作品面白かったよなあ、特に、土屋太鳳さんと芳根京子さんの関係性の描き方など・・、と記憶が蘇りました。
有難うございます。では。