「顔ぶたないで!女優なんだから!」累 かさね たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
顔ぶたないで!女優なんだから!
上映時間の都合で欅坂平手の「響 HIBIKI」とかなり悩んだ挙句こっちを選んだのだが、おそらく大正解だった。
まず特殊な口紅を塗ってキスすると顔が入れ替わる!という荒唐無稽な設定をこうもすんなりと受け入れてしまえる、これぞ映画の醍醐味。
有名女優になりたい女優を演じる女優というのは、澤井信一郎監督の名作「Wの悲劇」の薬師丸ひろ子を想起させるのだが、彼女は役の設定がらダイコン演技でOKであったのに対し、土屋太鳳はガチで「凄い演技」を見せなければならないのだが、それをまあなんとかやり切ったことに拍手!
そして何と言ってもこの映画はライティングの素晴らしさ、舞台袖で出番を待つ数秒間のブルーライトに変わる瞬間に人格が変わって見える。そしてエンドロール前のスタンディングオベーションから暗転して赤いライトに徐々に顔が浮かび上がって来るラストカットの美しさ。映画館の暗闇で見るべき映画。
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