「田舎自慢のファンムービーです」茅ヶ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
田舎自慢のファンムービーです
ドキュメンタリーにもなっていない”田舎自慢”。茅ヶ崎出身の有名文化人・芸能人を担ぎ出して、"茅ヶ崎自慢"を展開するプライベートビデオである。
映画にもなっていない作品ながら、桑田佳祐ライブパフォーマンスが2曲撮りおろされていることで、SASファン必見になっている。ライブは、茅ヶ崎のシンボル"烏帽子岩"に上陸して、「Money (The Beatles)」と「Blue Suede Shoes (Elvis Presley )」を披露する。
本作は、2017年の第6回茅ヶ崎映画祭でプレミア上映され、7月に一部劇場で特別上映された。今回は桑田佳祐のソロツアーに合わせてライブの行われる各地で、さみだれ式に限定公開される。
企画したのは、桑田佳祐の幼馴染みで、親友でもある洋楽ポップスのプロモーター宮地淳一。
手法としては、"茅ヶ崎"土地考察において、人類学者の中沢新一を引っ張り出すなど、まるで"ブラタモリ"か"タモリ俱楽部"である。故郷を想う気持ちはあっても構わないが、こういうのは"アド街ック天国"くらいにしておいてほしい。
加山雄三の古い映像(若い頃の奇跡的なカッコよさ!)と、現在の本人インタビューがあるほか、茅ヶ崎ゆかりの有名人を並べて、"凄いだろ"と言いたいようだ。大都市は出身者が多すぎて、そんなことしないだけ。とくに茅ヶ崎が音楽的に優れた人を輩出しているわけではないのに、恥ずかしい論を展開する。
映画ファン的に楽しめるとしたら、宮地と桑田の学生時代の再現ビデオを、神木隆之介(宮地役)、野村周平(桑田役)が演じていること。これはSASの事務所がアミューズということで、所属のトップ俳優に出演させただけ。なんなら、アミューズには福山雅治や佐藤健もいるし。神木ファン、野村ファンにもおススメ。
配給が、"ライブビューイング・ジャパン"というところが変わっている。先のソロツアー帯同の上映という形だからなのか、上映時刻も夕方からと、これもその関係だろうか。
(2017/9/16 /TOHOシネマズ六本木ヒルズ/ビスタ)