紅い襷 富岡製糸場物語のレビュー・感想・評価
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実話を元にした作品であり歴史資料としてもリアルな作品
この映画を映画館で観たのは制作完成年の2017年なのですが、
遅まきながら、ふと思い出したので書いてみます。
襷っていう漢字は「たすき」と読むんだなと、この映画で知りました。
明治5年という時代の空気で群馬県富岡市の製糸場を舞台に
当時の製糸場にまつわる人々の努力を再現した感動作品。
富岡製糸場といえば高校生の頃に歴史で学んで知ってはいたが
さらには「女工哀史」を連想するのであるが
作品はそういう暗いイメージではなかった。
明治初期の当時の日本の新たな産業の扉を開いた人々の
努力と活躍を描いたむしろ希望に溢れた作品。
実際に富岡製糸場は当時世界最大級の規模の製糸場として設立されたらしい。
さらに富岡製糸場などを中心に絹産業遺産群として世界遺産として
(2014年06月認定)登録されたようで、
その認定三周年記念の一環として企画されたのがこの作品らしい。
ストーリーが実話を元にしただけにリアルで貴重とは言えるが、
同時に今時の大作と呼ばれる派手なエンターテイメント作品と比べたら
やや地味な内容にはなってしまったかと思う。
そういうジレンマは確かにある。
予算もそんなに潤沢ではなかったかもしれない。
ただ、そんなじゅうぶんでない条件の中でも
作品としては作り手の誠実な情熱は感じられた。
実際の現地の遺産施設を使ったロケらしく製糸場などの雰囲気はリアルである。
出演者は主役はこれが映画デビューの女優さんで水島優さん。
女工さん役でがんばり屋のキャラクターで素朴ながらも好感は持てる。
実際に音楽大学声楽科のご卒業らしく、エンディングテーマの歌も御本人が歌っている。
どちらかというと舞台ミュージカルなどで御活躍らしい。
同じく女工役で国民的美少女コンテストのグランプリ受賞の吉本実憂さんも主役かも?
(吉本さんはまだお若い女優さんですが、売れっ子みたいで
映画、ドラマではこの作品以前でもけっこういろいろな作品で見かけましたね)
さらに豊原功補、西村雅彦、佐伯日菜子、
高橋ひとみ、大空真弓さんら、
いずれも皆さんはベテランや中堅で有名な俳優さん達であり
この作品での出番が多いわけではないが
重要な役どころを固めている。
基本的には全国から集められた優秀な女工さんらが、
さらにそこで本場フランスから呼んだ先生に製糸業の技術を学びながら
ひたむきに努力で頑張ったというお話。
そんな彼女らがいて明治の初期においての日本の近代化を支えたのですね。
富岡製糸場は世界遺産となりましたし
もし訪問する機会がありましたら
その前にこの作品をレンタル等で観ておけば
文化遺産としての意義も理解できて役立つかもしれません。
DVD版でも販売されているそうです。
私は群馬県の住人ではありませんがたまに群馬県に観光などで行きますし
群馬県の出身者や住人なら富岡市や製糸場の歴史は知っておくべきでしょうね。
世界遺産としても今後もそれらの歴史的施設などが
修復されたり整備、保全が必要でしょうし
単に観光地として観て歩くだけでなく、
富岡市の周辺地域と産業も力を合わせて
何度でも楽しめて魅せる地域となるようなアイデアと工夫が必要でしょう。
個人的には富岡市に何ら縁はないのですが
この作品を観てちょっと親しみが湧きました。
富岡市が歴史的文化的観光地としても盛り上がることを期待したい。
前半は説明ばかり
気になって見ましたが低予算なのがみえみえの撮り方と前半は説明ばかり、まるでドキュメンタリーって感じ。中盤から物語になっていきます。合成も分かりやすいですしあまり面白くなかったです。敢えて言うなら働きやすい野麦峠ですね。
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