トルパンのレビュー・感想・評価
全1件を表示
Get Married, Get a Flock
わーあ好きなタイプの映画。人間が生きていく様子が描かれている。主人公、アサだけに焦点が置かれていず、家族と家族の取り巻きもよくわかる。家族の役割がそれぞれあって、アサのギリの兄のボス(Comrade)は家族の長としての役割は嫁を娶らないとあり得ないと(Get Married, Get a Flock)。カザフスタンのステップに住む遊牧民の伝統的な社会。嫁探しが(アサはトルパンと結婚したい)少し方向を変え、自分に対する自信がついたと感じさせるのが最高に良い。羊の出産に立ち会うことができなかった彼だが、一人しかいないステップのある場所で羊の出産に対峙したわけだが、この嫌いでもあったリスクを誰の手も借りず、自分一人でやってのけたことは観賞している私にとって感動的だった。この疲労感のある達成感が素晴らしかった。この経験が牧夫herdsmanとしての自信を身につけたのだ。この経験はシベリアでの水夫(軍のサービス)としての経験をうわまるだろう。次の新天地に姉家族と共に遊牧していくが、今度の結婚相手になる人は彼の耳のサイズにとらわれることなく、彼の牧夫としての自信ある勇気に惚れるだろう。彼はもう、タコなどの話はせず、きっと羊の出産の手助けを一人でやり遂げた話をするだろう。そして、姉上、サマルの喜び。ユルトを畳んで、新しい牧草地に移動できることを知った時の喜びは並大抵ではなかったろう。夫に飛びついて行ったシーンからも窺える。だって、弟のアサに新しい出会いがあるからだ。姉上の弟思いと夫に対する愛との狭間で、アサが泣き出すシーンも何度かあったがこの気持ちがよくわかって同情しちゃったよ。弟に優しい言葉をかけられない夫。またそれが牧夫なのかもね。アサは頼りにされていない自分にやりきれないんだね。でも、ところで長男は賢いしなんでもできるね。
好きなシーンはいくつもあるが、一つを:長男が忙しくで昼間ラジオを聞けない父親に対して、逐次逐次、世界、中央(Russian Radio)、カザフスタンの出来事を報告していくのが愉快だね。的確に伝えているようだね。2011年3月11日の東北大震災も世界のニュースとして父親に報告している。この映画は2008年制作だから、言葉を入れ替えたのかもね。
国内ニュースで:Nursultan Nazarbayevヌルスルタン・ナザルバエフ大統領(1991 to 2019)の時代でカザフを先進国の仲間入りにと。綺麗な水と、綺麗な空気にと。笑っちゃうねこのニュース。遊牧民はこのプロパガンダとは真逆だからね。現実を見ていない大統領の空虚な方針。
以上。好きな映画だった。人間味があり、学べることも多いから。
知らなかった言葉ーBetpak-Dala =Desert Zone
全1件を表示