「母親は悲しい嘘をつく」女は冷たい嘘をつく 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
母親は悲しい嘘をつく
信頼していたベビーシッターが赤子の愛娘と姿を消す。事件に巻き込まれたか、誘拐か…? シングルマザーは行方を探す…。
となると大方の予想は付く。ベビーシッターはかつて子供が居たが亡くし、代わりに…。
大方の予想は当たった。しかしそこには、予想以上の悲しい嘘が…。
シングルマザーは医師の元夫と娘の親権を巡って調停中。その為に仕事に没頭。娘の世話はベビーシッターに任せっきり。ベビーシッターは中国人で韓国語がそこそこ。
娘とベビーシッターが居なくなり、激しく動揺&焦燥。それだけでも精神パニックなのに、お馴染み韓国アカン警察やヒステリック義母、冷たい元夫からは自作自演と疑われる。にしても韓国のこの手の作品に登場する周りはいつもいつも…(怒)!
一人で娘を探す。やがて名前や素性も嘘だったベビーシッターの秘密が明かされていき、悲しい真相が…。
韓国の田舎村の独身男の為に中国から結婚相手としてやって来た。
娘が産まれるが、病弱。病院代や貧困生活費の為に風俗の仕事を。この時出会った闇ブローカーの男も一枚噛む。
娘の容態が悪くなり、緊急入院。が、支払いが滞り、強制退院。それを選別したのは…。何故シングルマザーと娘は狙われたのか、理由あり。
ここでもクソ義母とクソ夫。病院代を払いたくなく、娘は病気じゃないとまで言い放つ畜生!
社会的弱者、外国人で貧困…。社会の冷たすぎる仕打ち。
そして娘は…。この時の悲しみの絶叫は本作で最も胸打つ。失礼ながら、シングルマザーとは比較にならないほど。
だからと言って誘拐は許されない。
亡き娘をあんな所に安置していたとは衝撃…!
ベビーシッターもとっくに正気を逸していた。
闇ブローカーと組んで誘拐した娘を…とヒヤリとしたが、そんな気は無かった。
“娘”へ見せる眼差しは母親そのもの。
どうすれば悲劇の展開と最悪の事態は免れたか…?
誘拐目的で近付いた時、本当の事を打ち明けていたら…?
母親同士、分かり合えない事はない筈。きっと。