散り椿のレビュー・感想・評価
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黒澤映画を好きな人にお勧め
最初は試写会で見ました。その時は詳しい物語を知らなかったので、話の展開にドキドキしたりして、じっくり場面場面を楽しむ余裕がありませんでした。そして時間が経つにつれ、あの美しい映像をもう一度見たいと思うようになり映画館に行きました。一度見て話の展開が分かれば、二度目はその場面場面の美しさ、木村監督の美へのこだわりなど楽しめました。岡田君はまさにその時代に生きた、瓜生新兵衛にしか見えませんでした。黒澤映画が好きな人に是非見てもらいたいです。楽しめます!
景色が美しい映画
役者さんの演技と、その背景の景色がとても美しい映画でした。
…が、人物の描き方が浅く、お年寄りの方たちが観にいらしていたので、繋がりや、動機がわかったかな?と思ってしまいました。大きなお世話ですが(笑)
上映時間が長ければ良いと言うわけではないのですが、もう少し人物や事件について印象づけるような描き方をして、長くなったとしても、長く感じないのではないかなぁと思いました。
役者さんたちが素晴らしいだけに、もったいない感じがしてしまいました。
日本映画の美学、見事
美しい日本の原風景、江戸の文化、静寂と華美を極端にまで抑えた日本の家屋、寺院と織りなす自然。眼を奪われるキャメラワークでした。エンターテイメントとしても悪徳家老と賄賂の商人のワンパターンにもかかわらず結末までハラハラして存分に楽しめました。岡田さんの居合、殺陣、見事でした。馬の躍動シーン、最後の雨のシーン含め黒澤映画を彷彿させる素晴らしさでした。葉室さんの原作も読みましたが、映像でなければ、映画でなければ表現できないシーン、人物の描き方でした。日本映画の美学、侍の矜持と美学を見事に描いた傑作です。もう一度見ます。
2回目の鑑賞
2回目を観ました。日本の四季の景色の中、サムライの心情と大切な人への想いがやっぱり心にしみいりますね。木村大作監督や岡田准一さん、西島秀俊さんが解説しているメイキング特集をスカパーで見てからの鑑賞でしたのでさらに面白く興味深く観られました。散り椿の前での岡田准一さんと西島秀俊さんの殺陣も見事でしたし、サムライの斬り合いの血飛沫もリアリティがあって迫力でした。娯楽映画としても傑作ですね。
葉室麟さんに捧ぐ…武士の哀しさ。
妻を想う一人の武士の一途な愛。
そのまっすぐな心意気に惚れました。
病に臥せった妻の最後の願いを叶えるために、脱藩した故郷扇野に戻ってきた新兵衛。
妻の願い「采女様を助けていただきたいのです…」という願いを聞き入れて、親友のもとに会いに行きます。
妻と采女と新兵衛、微妙な三角関係が何とももどかしい。
相思相愛だった采女と篠ですが、義母が反対し結婚することが出来ませんでした。
そこで結婚したのが、采女の親友の新兵衛。
親友でありながらも、恋敵となった男女のいざこざが、静かにザワザワと胸をかき乱します。
しかしこの時代は、お家柄が一番!
自分の気持ちを押し殺して、藩のために殿のために忠義を尽くさなければならなかった采女。
そんな采女の気持ちを知りつつも、篠と結婚した新兵衛。
篠を愛しつつも、親友への罪悪感がずっと心を痛めつけていたことでしょう…。
そして脱藩しても、陰ながら藩の不正のために極秘に動く新兵衛の正義感!
彼の正義感は、いつしか野心に変わり、正しさを超えて鬼へと変貌していきます。
ラストの藩士同士の対戦のシーンでは、剣を振り回す岡田さんの姿がとにかくかっこよかったです!
雨が降る中、鬼の形相で敵をザッザッと切り進んで行く…。
この役は岡田さんでなければならないと感じたシーンでした。
妻の篠を想う一途な武士でもあり、鬼の形相になった傍若無人な武士。
二面性のあった新兵衛、果たしてどちらが本当の彼なのか…。
最後に静かに旅に出る彼の背中が印象に残りました。
今回、かなり岡田さんがこの映画に関わっていたようで…。
殺陣、撮影、等々、裏方でも大活躍した模様!
もしかしたら、岡田さんが監督として映画を撮る日も近いかもしれませんね(笑)
楽しみです(o^^o)
原作未読です。 特に理解に苦しむ箇所はなく、 すんなり物語に入り込...
原作未読です。
特に理解に苦しむ箇所はなく、
すんなり物語に入り込めました。
岡田さんと麻生さんの夫婦のシーンがとても素敵で、
殺陣のシーンなどで見せる無敵の剣豪とのギャップも良かったです。
西島さん、奥田瑛二さん、冨司純子さん、素敵でした。
映像は何処を切り取っても絵のように美しいなと感じ、
映画館で見てよかったです。
日本人の美意識
「眠くなった」「ひどい脚本」「全てが古くさく、カビ臭い」「武家の剣術ではない」あげくは「○○のおでことカツラが合わない」など、否定的な感想文を読んでいて、ひと言書きたくなった。
映画を観た後に、ストーリーがよく飲み込めない部分があったので、原作を読んでみたが、正直なところ、人物設定などを変えて2時間という枠に収めなければならなかった映画のほうに軍配をあげる。
ただ、観ていて物足りなかったのは、脚本のセリフがカットされ過ぎていたからだろう。原作ではこういう言葉も出てくるのに・・・といくつか思った。
映像美については、モントリオール世界映画祭で「絵の(ような場面の)連続だった」という理由で、審査員特別賞を受賞している通りで素晴らしい。
映画館を出た時には、「うーん」という何とも微妙な読後感しか無かったが、何日も経ってから、もう一度観たい場面や、「大切に思えるものに出会えれば、それだけで幸せだと思っている」という言葉が、心に問いかけるようによみがえる。
岡田准一さんがセリフを低めの声でやっていたが、音楽も武士の厳しさをチェロの重厚な音色で奏でていた。
監督も脚本も音楽も「古くさくカビ臭い」のではなく、日本人が忘れかけている美意識の「本道」を、見事に具現化したのではないか?
惹きこまれました!
原作未読で鑑賞。
徐々に、名前も人間関係も繋がってきて理解できました。
色々な人の、思い、葛藤が伝わってきて、惹き込まれていきました。
とにかく切ないです。
見終わったあと、
ただよかった
と思える作品でした。
美しい映像と本物の殺陣
時代物の映画が好きで、楽しみにしていた映画でしたが、期待を裏切らない素晴らしい作品でした。
木村監督の美への高い意識から作り出される映像美だけでなく、かつての日本人が持っていた精神的な美しさも感じられる、美に溢れた心洗われる様な作品でした。
また、最近の時代劇では見る事がない、本物の斬り合いを彷彿とさせる殺陣に痺れました。岡田さんの殺陣が抜きん出ている為に、他の俳優さん方の殺陣が強そうに見えない所がいくつかあるのが、少し残念でしたが、岡田さんは完全にその時代を生きた武士としか思えない、素晴らしい役作りでした。もう一度、と言わず二度三度と観たい映画です。若い方々には、静か過ぎて受け入れにくいかも知れませんが、一人でも多くの方に観て頂きたいなと思いました。
スジがへんてこ。
美しい時代劇、を標榜して作られた本作。確かに美しかったかもしれない。
木村大作は美しさにかまけて映画のスジをおろそかにしたのではあるまいか。
思えば「劔岳 点の記」にも「春を背負って」にもスジは二の次みたいなところはあった。圧倒的な自然の前では、人間が思いつくスジなどたかが知れている、そんな映画だったのでまだよかった。
時代劇はスジがないと成り立たない。
上役の不正を訴えでて、その結果親友を死なせ、藩を出ていった新兵衛(岡田准一)。どこかで見たような話である。藤沢周平がずっと頭にちらついていたが、本作の原作は葉室麟である。
妻の死に際の言葉により、新兵衛は藩に戻ってくる。時折刺客に襲われたりするがおかまいなし。このあたりからスジに疑問。
城代家老が不正を行なっていたのはほぼ明白。江戸にいる若い殿に密使でもつかわせばすむ話、ではないのか。
新兵衛の妻 篠(麻生久美子)の想いも曖昧で、それゆえ新兵衛は采女(西島秀俊)に刃を向けたりするが、それはまったく無駄なシークエンス。
岡田准一と西島秀俊の立会いの殺陣は素晴らしかったが、スジに生かされていない。非常にもったいない。
また新兵衛も采女も凄く強い。
こういう物語の常として、敵方に、主人公に匹敵する剣士を配するのが普通だと思うが、それもない。
殺陣が見慣れないものになっていて興味深かったのだが、少し短かったのが残念である。奥田瑛二が頑張ると思ったのに。
時代劇は難しい。
どこに焦点を当てるか、もう少し工夫があってもよいのでは?
映画『散り椿』を見て来ました。大好きな葉室麟さんの原作なだけに、無論原作は読んでいます。こちらは原作を読んでいるから分かりますが、映画が初めての人には少し分かりにくいところがあると思います。
最後の結末は変わりませんが、そこに行くまでの過程が違います。映画では、時代劇というところを考えて、チャンバラになっていますが、これでは榊原采女(西島秀俊)の覚悟が分からない。残念!!
原作でもキーになる台詞である
「私はそなたに苦労ばかりさせて一度も良い思いをさせたことがなかった。そなたの頼みを果たせたら褒めてくれるか」
「お褒めいたしますとも」
は上手く使われています。
ただ、画面がやたらと暗いのには閉口しましたね。
良かった❗️
10数年ぶりに映画を観る機会があって、この映画に出会えました。原作は読んでいません。脚本が良かったおかげで、登場人物の関係性や個性が際立っていました。おかげで解りやすく最初から進行に沿って映画に入り込めました。幕間のように差し込まれる美しい映像と、ストーリー展開に刺激されながら一途にテーマを軸にして後まで誘ってもらえました。時代小説が好きで藤沢周平、池波正太郎、山本周五郎を読みます。漫画も好きで平田弘史、白土三平、小島剛夕、大島やすいちを読みます。武骨な武士道精神を根底にして、殺陣は今風エンターテイメント、主題は愛、それも一途で真剣な愛、一回の観賞で読み取れます。やっぱり映画は良いなと思わせて貰えた作品でした。おすすめはしませんが私には感想を書きたくなる感動作品でした。
三船敏郎の再来を予感させる好演
岡田さんの殺陣のシーンは圧巻。体幹が非常に安定していて、重心低く、スクリーンを通して凄味がビリビリと伝わってきます!正に三船敏郎の再来を感じさせてくれます。登場人物も多く、複雑な内容ですが、脚本は実に上手くまとめまれていたと思います。欲を言えば、あと30分追加して、采女の苦悩や、源之助が切腹に追いやられた顛末など描いてくれたらさらに感情移入しやすかったのかなと思いました。残念な点はBGMがゴッドファーザーのテーマ曲の様な出だしの曲で、流れるたびに少し現実に引き戻されてしまいました。新兵衛の複雑な心境を表現するは中々に難しいのでしょう。。
ただ全体的非常に美しく、演者の皆さんも好演されていて、大変素晴らしい映画になっています。やはりこういうテイストは日本映画にしか出せないですね。製作陣の皆さん。価値ある時間をありがとうございました。
小柄な三船敏郎さん
画が素晴らしい❗殺陣も凄い❗ストーリーも好きです。
ただ…岡田准一さんって小柄なんだな~😅
三船敏郎さんを思い出させる風貌&仕草だけに、勝手に比較してしまい、少しだけ違和感。
岡田さんに申し訳ない…「蜩の記」は大好きです😀
2022/4/9
Amazonで改めて観直しました。なるべく三船敏郎さんを忘れるようにして…★1つプラスです。
鍛えてる感
岡田准一が格好良かったです。
格闘技のような動きとか、身体を鍛えてる感のある所作、やたら足を狙う殺陣が好みでした。
池松壮亮の棒読み風の話し方が気になりました。
全体的な雰囲気はいいちこや二階堂のCMみたいな感じで、綺麗な風景に癒されました。
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