劇場公開日 2018年9月28日

「葉室麟さんに捧ぐ…武士の哀しさ。」散り椿 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0葉室麟さんに捧ぐ…武士の哀しさ。

2018年10月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

妻を想う一人の武士の一途な愛。
そのまっすぐな心意気に惚れました。

病に臥せった妻の最後の願いを叶えるために、脱藩した故郷扇野に戻ってきた新兵衛。
妻の願い「采女様を助けていただきたいのです…」という願いを聞き入れて、親友のもとに会いに行きます。

妻と采女と新兵衛、微妙な三角関係が何とももどかしい。
相思相愛だった采女と篠ですが、義母が反対し結婚することが出来ませんでした。
そこで結婚したのが、采女の親友の新兵衛。
親友でありながらも、恋敵となった男女のいざこざが、静かにザワザワと胸をかき乱します。
しかしこの時代は、お家柄が一番!
自分の気持ちを押し殺して、藩のために殿のために忠義を尽くさなければならなかった采女。

そんな采女の気持ちを知りつつも、篠と結婚した新兵衛。
篠を愛しつつも、親友への罪悪感がずっと心を痛めつけていたことでしょう…。
そして脱藩しても、陰ながら藩の不正のために極秘に動く新兵衛の正義感!
彼の正義感は、いつしか野心に変わり、正しさを超えて鬼へと変貌していきます。

ラストの藩士同士の対戦のシーンでは、剣を振り回す岡田さんの姿がとにかくかっこよかったです!
雨が降る中、鬼の形相で敵をザッザッと切り進んで行く…。
この役は岡田さんでなければならないと感じたシーンでした。

妻の篠を想う一途な武士でもあり、鬼の形相になった傍若無人な武士。
二面性のあった新兵衛、果たしてどちらが本当の彼なのか…。
最後に静かに旅に出る彼の背中が印象に残りました。

今回、かなり岡田さんがこの映画に関わっていたようで…。
殺陣、撮影、等々、裏方でも大活躍した模様!
もしかしたら、岡田さんが監督として映画を撮る日も近いかもしれませんね(笑)
楽しみです(o^^o)

ガーコ
シャチ☆さんのコメント
2022年10月6日

ほとんどの部分で、共感してます。
とても良い邦画。
ただ、物語の性質上終始寂しげな様子がとても物悲しい……

一点、ガーコさんはどこで新兵衛の野心を感じたのかな?
僕は全く感じなかった……
むしろ、野心を持って欲しいし、采女達の志を継ぐ為に藩に戻って欲しかったが……

シャチ☆